東急東横線 妙蓮寺駅から旧綱島街道を白楽方面に歩いて5分ほどの場所に店を構えるのが、
妙蓮寺を代表するレストラン『Restaurant BOOO(レストラン ブー)』。
本格派のシャルキュトリ(加工肉)とワイン・ビールが楽しめるレストランとして
多くの地元の方から愛される名店。

そんなBOOOさんが、コロナ禍をきっかけにスタートさせた
2台のキッチンカーをご存じの方も多いはず。1台目は横浜をイメージした青色。
《シェフの味をキッチンカーで》をコンセプトに、お肉メインの主菜とお野菜たっぷりの副菜が入ったお弁当やカレーを販売し、行列ができるほどの人気に。
そして2台目のピンクのキッチンカーはなんと・・・ソフトクリーム!!
人気レストランが出すソフトクリームとは?
シェフの笠井秀則さん・亜樹奈さんに会いに行きました。
文章:妙子 写真:myourenjar 構成:myourenjar
ピンチは魅せ場。こだわり抜いたキッチンカー
───キッチンカー事業スタートの経緯を教えてください。
亜樹奈さん:「コロナが流行し始めた2020年に別業態の選択肢を持っておきたいと、
いち早くキッチンカー事業をスタートさせました。
二人でよく言うのが『ピンチは魅せ場』。
うまくいかないときこそ、積極的にチャレンジしていきたいんです。
今ではキッチンカーのお客様が、お店に足を運んでくださることも多いです。お店の存在は知っているけど、行ったことはないというお客様とお店をつないでくれる存在ですね。」

───キッチンカーへの想いを教えてください。
秀則さん:「料理に関して言えば、付け合わせのケチャップやマスタードまで、すべて一から作っています。
僕たちは料理を通じて安心と安全を売っているので、キッチンカーそのものについても、衛生面等を考慮してしっかり作りました。
キッチンカーって気軽にスタートさせられる業態ではあるけど、そこはプロとして、お店同様にやらなくてもいいことにも、とことんこだわっています。
見えないところにどこまでこだわれるかがお店の格を作る、と信じているので、こだわってないところがないです。」

亜樹奈さん:「私たちはレストランの看板を背負っています。キッチンカーでお出しする料理が直接お店の評価へつながるので一切、手は抜けません。
自慢は、メインの料理と同じくらい力を入れて作る副菜です。レストランでは、メインに添えられた副菜のキャロットラペの味に感動したと、繰り返しご注文してくださるお客様もいらっしゃるんです。」

ソフトクリームのキッチンカー誕生のお話
───なぜ2台目のキッチンカーはソフトクリームだったのでしょう。
亜樹奈さん:「単純にキッチンカーからソフトクリームが出てきたらカワイイなって。
それと、うちの父が大のソフトクリーム好きなんです。父の名前をとって『AKIO』という名前にしました。
どうせやるならレストランで食べるような、ベースから手作りのものを提供したいと思い、始めました。」

秀則さん:「ソフトクリームって味が単調になりやすいんですよ。
だから個性をどうだすのかが大事だと思っていて。
今日のフレーバーはレモンとチョコレートですが、レモンは有機栽培のものをたっぷり使っていて、酸味をかなり効かせています。チョコレートはホワイトチョコレートとブラックカカオ、2種類を混ぜ、よりチョコレートの風味を強く。
ポイントは味をボヤっとさせず、インパクトを残すことですね。」

キッチンカーは期間限定?!その先には・・・
───10年後の夢を教えてください。
亜樹奈さん:「レストランで、オープン当初からお出ししている人気のデザートに、ホワイトチョコのブラウニーがあるのですが、それをコンビニで販売して、全国の皆さんに届けるのが夢です。コンビニに行った時は、ついつい妄想しちゃいます。」
秀則さん:「僕は店舗を増やしたいです。小さいハコでいいので、妙蓮寺近辺で3店舗くらい。
10年後、キッチンカーはたぶん、ないですね。設備面やキッチンカーという業態を考えると、できてあと5年位。
でもその代わりに、お店を増やしたいです。業態はバーでもデリカテッセンでもパティスリーでも。
キッチンカーをお店に変えていくイメージですね。
妙蓮寺が好きだし、ここにお店を構えていることに誇りを持っているので、妙蓮寺のお客様を大切にして喜んでもらいたいです。」

───レストランにキッチンカー2台と本当にお忙しいと思いますが、一番幸せな時間ってどんな時ですか?
亜樹奈さん:「えーー・・・ちょっと考えてもいいですか?」
秀則さん:「僕は即答できますよ。妻のそばにいる時間です。
一分一秒でも長く一緒にいたいんです。二人で開業したのもずっと二人でいられるからですから。」
亜樹奈さん:「私がそばにいないと心配なんです。シェフの永遠の片思いなんですよ。
私は・・・タヒチアンフラを習う妄想をすることかな。」
秀則さん:「へー。僕はその時間何をしたらいいのかな~。」
───予想外の回答にびっくり!
冗談めかしながらも、二人の掛け合いには愛が詰まっていました。
この後もシェフは、まるで料理への想いについて語るようなトーンで、亜樹奈さんへの愛を語ってくださいました。続きが気になる方は、是非直接お店まで。

Restaurant BOOOにainiko
───最後に伝えたいことありますか?
秀則さん:「フランス・イタリア料理やワインは敷居が高いと思われがちですが、構えないで気軽に足を運んでほしいです。
キッチンカーでもお店でも、来ていただければ満足させる自信があります。」
亜樹奈さん:「コロナ禍でお客様のライフスタイルも変わったと思います。
そんな中でも、リモートワークの方には、さっと買えるキッチンカーでのお弁当。少し人が集まるような会には、テイクアウトのオードブル。できたてを食べたい人は、レストラン。みたいに
妙蓮寺のお客様に色々な選択肢を提供していきたいと思っています。」

お料理への愛 妙蓮寺への愛 互いへの愛
その想いの強さに感動しました。
姿形は時代に合わせて変化しながらも、変わらない土台があるからこそ、与えられる安心感があるのだと。
そして妙蓮寺にRestaurant BOOOがあることを、とても誇らしく感じました。
このご夫婦は本当にかっこいい・・・。
今日はどのBOOOさんに会えるかな。

Restaurant BOOO(レストラン ブー)
住所:〒222-0023 神奈川県横浜市港北区仲手原2-1-23 フラワーハイツ吉村 1F
Instagram:@booo_restaurant.kitchencar