町と人とのご縁に感謝して。僕らのビールを全国へ届けたい│RE:BREAD│神大寺

横浜高島屋にて限定販売されたひとつのクラフトビールがあります。

それは、まだ食べることができるにも関わらず、廃棄されてしまうパンから作られる
RE:BREAD(リ:ブレッド)』というクラフトビールです。

キャッチコピーは「自然とわたしに、美味しい一杯」。爽やかな味わいのホワイトエールスタイル。

日本全国のパン屋さんで今、課題となっている「フードロス」。

その問題に着目し、環境に優しく、
まだ他にないビールを作るため、
会社を立ち上げたひとりの若き起業家がいました。

廃棄食材からビールへのリプロデュースを手がける、株式会社 Beer the First にて
代表を務める 坂本 錦一さん に会いにいきました。

文章:SACHI 写真:myourenjar 構成:myourenjar


きっかけは「モノづくりが好き」という気持ちでした

─── ビールの会社を立ち上げた経緯について教えてください。

坂本さん:「元々、ビールは飲めなかったんです、苦いな~と思っていて。

『やぐら太鼓』という白楽近くにある居酒屋でビールが飲めるようになりました。
お父さんとお母さんの作る美味しい料理が楽しめる、昔ながらの居酒屋です。」

─── さすが、神大寺育ちの坂本さんらしいビールとの出会いですね。

「コロナ禍をきっかけに家で過ごす時間が増え、ビールの勉強をはじめました。

学んでいくごとに、ビールが好きだという気持ちが大きくなり、
自分でビールを作りたいと思うようになったんです。」

─── 元々、自分でなにかを作ることが好きだという坂本さん。
スパイスカレーが趣味という坂本さんは、カレーづくりの教室にも通い、自宅で本格カレーを作ることもあるんだとか。

「個人でビールをつくることは法律の関係で叶えることができず、
もどかしさを感じていたとき、友人と「それなら仕事でビールを作ろうか!」と思い立ち、
2021年3月に会社を設立しました。」

抱いていた「違和感」を解決するために

─── 以前より、廃棄食材に対する課題を感じていたのでしょうか

坂本さん:「普段は、食品関係の会社でサラリーマンをしています。
そのご縁で、農家さんや加工所などへ行く機会が多くありました。

フルーツの農家さんが、表面に傷がついてるなどという理由で、
大切に育てたフルーツを販売できずにいると知り、もったいないと感じていました。」

─── 本業を通じて、廃棄食材への課題を抱き、
それが廃棄パンを利用したビールづくりというアイデアに繋がったそうです。

廃棄予定のパンを集め、それを原料にビールを作る、それが「RE:BREAD(リ:ブレッド)

「それからいくつものパン屋さんにメールや電話をしました。
なかには全く相手にされないことも、プツリと音信不通になることもありました。

そんななかでご縁があったのが、僕の地元、神大寺にあるパン屋さん『ル・ミトロン』でした。

ル・ミトロンの大場さんに力添えいただき、RE:BREADが完成し、横浜高島屋への出店が実現しました。」

─── それはインパクトのある出会いだったと語る坂本さん。

周りの人に恵まれていると感じています。運なのか、不思議なご縁ですね。」

ル・ミトロン 神大寺本店
店内には、所狭しと出来立てのパンが並びます

─── ビールが完成し、店頭に並んだとき、どんなお気持ちでしたか。

坂本さん:「うれしかったですね。息子がそこにいるかのようで、夢のようでした。」

───「実感がわかなかった」と、まるで父になったかのような発言に、その場に優しい笑いが起こりました。

ヒッチハイクにも似た「ワクワク・ドキドキ」に夢中なんです

─── ビールづくりの活動の中で、最も楽しい瞬間について教えてください。

坂本さん:「どうしたら面白いものをつくることができるか?を考え、行動をする過程で、
いつも、ドキドキ・わくわくしています。

困難も多いなか、自分たちの力で事業を前に進めていくので、
たとえば、メールが繋がった、打ち合わせができたなど、
どんなに些細なことでも、その一歩一歩がすごく嬉しいです。」

ビールに使用するのは、ル・ミトロンの人気商品『神大寺トースト』

─── その気持ちは学生時代に経験したヒッチハイクにも通じるそうで、
考えて、苦労して、結果を掴む。ご縁を結ぶそのときの感動の1つずつが嬉しいんです」と話す坂本さんは、活き活きとした表情をされていました。

神大寺発 全国へと広がるビールをつくりたい

─── 今後の展望について教えてください。

坂本さん:「最終的には、自分たちのブルワリー(ビール工場)を作りたいと思っています。

たとえば、今は使われていない消防署や倉庫などの場所を活用したブルワリーを作りたいです。

そしてそれが、地元である神大寺で叶えられたら嬉しいですね。」

「ビールづくりを通じて、多くの方との出会いがあり、神大寺の「人」を知ることができて、
ただ「住む町」だった神大寺を、いま、さらに好きになっています。

今後は町との関わり方なども模索しながら、会社としての基盤を築き、
この町から大きく成長していきたいですね。


「若き起業家」と聞くと、どういった人物をイメージするでしょうか?


ぎらついた目をして、タブレッドを小脇に抱え、バリバリと仕事をこなす姿でしょうか?

取材当日、「おはようございます」と、待ち合わせに現れた坂本さんは、
スケートボードを小脇に抱え、マスク越しでも優しい笑顔が伺えました。

相棒のスケートボードと。「近くへの移動はいつもこれなんです」とのこと

謙虚な姿勢の内側に、青く燃えるエネルギーを秘める坂本さん。

ご縁への感謝を忘れず、チャンスを逃さず、進み続ける姿に会えました。

「僕は慎重派なので….」とご自身について話していましたが、
きちんと段階を踏み、考える、その丁寧な仕事への姿勢が垣間見え、


人が、ご縁が、彼のもとに集まる理由が、少しわかった気がしました。


─── 本日はたくさんのお話しをありがとうございました。

坂本さん:「こちらこそ、ありがとうございました。

こういう売れてないときに優しくしてもらうのって、ずっと忘れないですよね! 」

─── そんな笑顔を前にして、わたしにとっても、忘れられない時間となりました。

RE:BREAD
公式サイト:https://beerthefirst.com/1
Instagram:@rebread_beer

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