横浜国際総合競技場(日産スタジアム)は横浜市港北区にある国内最大級の観客席を誇る、横浜のシンボル。

様々なイベントの開催地であり、横浜F・マリノスのホームスタジアムでもある。施設内外のスポーツ教室も人気で、併設する新横浜公園と共に 20年以上この街の人に愛されている。そんな日産スタジアムに「SUNDAY MONDAY kitchen」が昨年(2022)年4月にオープンした。

お店のオーナーシェフは多くのメディアで大人気、伝説の寮母こと村野明子さん。
身体作りに必要な 5色の栄養素を食べ残しなくー食で食べる“栄養フルコースのワンプレート”で胃袋と心を満たし、 Jリーグチームの寮母として約18年勤め上げた。
2019年に個々のニーズに特化した給食会社「株式会社 SundayMonday」を設立。寮母さんの道を切り拓く、まさにレジェンド。

今年(2023)の 4月で 1周年を迎える「SUNDAY MONDAY kitchen」店主の村野明子さんに会いにいきました。
文章:nao 写真:myourenjar 構成:myourenjar
長年の夢であったレストラン開業、異業種への挑戦
―――長年の夢であったレストラン開業おめでとうございます。「オープン初日」はどんなお気持ちでしたか??
村野さん:「選手に出す時とは、全く違う緊張感で準備不足もありました。でも、何よりお客様にお料理や接客を通して気持ちよく過ごしてほしいという想いは強かったです。」
横浜F・マリノスから“練習終わりのアカデミー生(小中学生)に夜ご飯を作ってほしい、昼間の時間帯はレストランをやりませんか?”とオファーをもらう。何も決まっていない状態だったが、急遽引き受けることを決意したそう。

火曜~金曜の夜はアカデミー生にご飯を提供。子供たちが可愛いです!と村野さん。
お食事プレートに込められた、変わらない真心
村野さん:「 1番の人気メニューはお食事のデリプレートです。本日のおかずから自分で好きな主菜のメイン 1品と副菜のデリ 2品を選べるスタイルなので、嫌いな野菜が自分のプレートにのることがなく食べ残しはほとんどありません。」

当初、メニューは鶏胸肉等のアスリート食に寄せていたそう。
「土日は家族連れが多いので、お子様とシェアできる“唐揚げや一口カツ”等を取り入れてます!平日はスタジアムの先生や、施設内のリハビリを利用する方も多いのでヘルシーなメニューが多いです。」

「全部が醤油を使った味付けだと飽きてしまうので、複雑な味にせず、一品ずつ調味料を変えて被らない味付けを心がけています。」
簡単な味付けなもの、簡単なレシピしか出していないという村野さん。でもそんな風には思えない。
味付けの加減も大切。メインの味付けはご飯が進む濃いめで副菜はちょっと一歩引く。味見をするとスープは濃いめになってしまうので全体のバランスを心がけているそう。

「お皿に選んでもらった時に全部緑だとつまらないよね。なるべく色が分かれている 5色の野菜とひじき等の海藻類を取り入れてます。」
飽きずに楽しく、残さず食べてほしいという長年の想い。変わらない真心のこもったお食事プレート。
村野さんは簡単なことしかやってないというけれど、相手の気持ちや目線になって何度も考える温かい心遣いが感じられる。

お店に欠かせないスイーツの誕生ストーリー
村野さん:「スイーツ担当の千晶さんのスイーツはすごく優しくて、ほのかな甘さで甘すぎないのが特徴。毎日焼いてくれるので、朝来たら余った端っこをもらって食べるのが本当に楽しみなんです!」

電話で1本売り(要予約)や取り置き等が可能。
「レストランを始めるにあたりやっぱりスイーツは必須!お店に合う罪悪感のないスイーツがいいなと思いました。計量が苦手な私は作れないんです…。」

スイーツ担当の大西 千晶さん:「大体の焼き菓子は、体に優しい油(太白胡麻油)と、きび砂糖を使って作っています。近所の村野さんのお店で働き始めた当初は、スイーツを作ることになるなんて微塵も思っていませんでした。自分の引き出しを広げてくれたあっこさんのおかげです。」

お客様だけではなく、お店のスタッフからも大人気のスイーツ。
みんなに大切に、愛されている千晶さんのスイーツ。
お店に欠かせないスイーツが生まれたのは、村野さんが千晶さんの背中を押してくれたから。

想いと人の輪が繋ぐ未来
―――もうすぐオープンして 1年になりますが、今のお気持ちを教えてほしいです!
村野さん:「毎日やることが沢山あって忙しいです。寮母時代も一緒で、1年目は作って出して残した残さないと試行錯誤の毎日。選手が“戦力外通告”の手紙をもらう瞬間を初めて見た時は、急なお別れがすごく寂しかった記憶があります。」
当時は子育てや不慣れなことで、一杯一杯の生活だったけど、選手たちは怪我をすることや過酷な試練が実に沢山ある。だから、私も今出来ることをもっとちゃんとやろう!と思ったのだとか。

「手探りの 1年目、何事も最初はほんと大変なんですよね。今とリンクしています。お店を始めた去年も一生忘れられないくらい大変で過酷でしたね。」
今はスタッフとみんなで“サクセスストーリー”を作っている最中。
「でも美味しかったって言葉、取材や収録等、嬉しいことは本当にいろんな所に散りばめられていて、大変なところからたくさん嬉しい楽しいは生まれ、宝物になる”プライスレスな経験”が毎日いっぱいです。」

「仕事の幅が広がると出会いも広がる、色々な場所で沢山の人と出会ってどんどん人の輪が広がって今の私ができています。ここに今いるスタッフに”プライスレスな経験”のチャンスがあったら一緒にやって、出会いを広げて、それぞれが得意なことで輝くことができたら嬉しいです!」
知らず知らずに私が進んできたこと、やってきたことでみんなも楽しいといいなぁ☺︎と村野さん。

でも毎日が楽しい!村野さんのためなら頑張るぞ!と嬉しそうに目を合わす二人。
栄養士の植 千晴さん:「村野さんと一緒に働いていると、毎日に夢があるんです。これしたいって言ったら、じゃあやってみなって、なんでもやってみなよ!って挑戦させてくれます!!」
また、色んな人との出会いで広がっていった“村野さんの人の輪”は、お料理の野菜・果物にも繋がっている。お店で使うほとんどの青果は、全国にいる Jリーガーのご友人やその紹介で農家から直送されている。

一般のお客様も買えるので要チェックです!と村野さん。
「熊本にいる元 Jリーガーの水本勝成さんからブロッコリーを送ってもらっています。元 Jリーガーが作ったお野菜を、今 Jリーガーになりたい子供たちが食べるのは夢があって素敵なことだと思います!!」
「大量調理でも、新鮮で安心安全の食材をちゃんと出したいって想いがあります。どうしても足りないものは買うこともありますが、みんなが力になってくれるので嬉しいです。」

寮母時代の村野さんは、選手が一人ひとり輝く未来を想い、今は一緒に働いているスタッフのみんなが輝く未来を想っている。
輝いてほしいという想い、広がる人の輪。それは、夢を描く未来に繋がっていると感じた。
SUNDAY MONDAY kitchenにainiko
―――最後にSUNDAY MONDAY kitchen は、この街の人にとってどんな場所になってほしいですか?
村野さん:「新横浜、小机周辺は緑が多く周りの環境がものすごくいい!スポーツを楽しむ人、コミュニティも多いです。人と人、家族との繋がりが多い場所だと感じています。」
「たくさん体を動かした後、散歩でちょっと疲れたなって時、お子さんの習い事の帰り等。色んな機会でこの街に来た時、気軽に立ち寄れる場所になってほしいです。栄養満点なお食事も食べて、ぜひ身体が喜ぶ“まるっとヘルシーな 1日”を過ごしてください!!」

忙しい毎日の中でも、今も昔もずっと変わらない真心と想い。
相手に寄り添うことで生まれるアイディアが
SUNDAY MONDAY kitchen の心がほかほかするお料理に結ばれている。
それは人間関係でも同じで、村野さんも出会ったみんなも感謝で満たされている。
いつ食べても楽しい気分になれる村野さんのお食事プレート、千晶さんの優しいスイーツ、植さんの心温まる接客は子育てで疲れていた私の心を何度も元気づけてくれました。
食べたら「頑張ってね!」って応援してもらえるような気持ちをぜひ受け取ってください!!
SUNDAY MONDAY kitchen
住所:〒222-0037
横浜市港北区小机町3302-5
日産スタジアム東ゲートスタンド下
Instagram:sundaymonday_kitchen

