5月13日に1周年を迎えた、東白楽のイタリア・スペイン料理レストラン『GENTILE(ジェンティーレ)』。
“GENTILE”は、イタリア語で“優しい、親切”という意味で、『優しい気持ちになれる場所』という想いを込めて、店名にしたのだとか。

二階建て一軒家の店内は、地中海をイメージした深みのある青色が印象的。
一歩踏み入れると、
二階へ続く吹き抜けと窓からたっぷり入る陽射しで開放的な空間が広がります。

“お子様連れや、カフェ利用のみ、何でも大歓迎”というコンセプトが支持され、開店してから口コミで居心地の良さやお料理の評判が広がり、瞬く間にまちの人気店に。

笑顔で明るい接客が素敵な、
オーナーの長谷川 翔麻さんに会いにいきました。
文章:myourenjar 写真:myourenjar 構成:myourenjar
歌手を目指していた、元ギャル男
─── 修行時代の話を教えてください。
翔麻さん:「地元が静岡で、歌手を目指して上京して。路上ライブで“ゆず”を歌ったりしていました。でも、その当時金髪の長髪のギャル男だったので、ギャップがすごかったと思います。
バイトを掛け持ちしながら、歌手を目指して頑張っていましたが、
将来を見据えたとき、元々食べることが好きだったこともあって『飲食店を持つこと』に夢がシフトしていきました。」
─── 翔麻さんに、ギャル男時代のお写真見せていただきましたが、本物のギャル男でした。気になる方は直接お店へ。

「興味のある料理のジャンルの料理は、とにかく全て飛び込んでいこう。と、都内のあらゆるレストランで料理経験を積みました。
色んな現場を見ていく中で、尊敬する師匠との出逢いを機にイタリア料理に魅了されていったんです。その方から教わったイタリア料理をベースに、自分が美味しいと思うスペイン料理、魚介料理などを加えた『GENTILE』の形が生まれました。
色んなジャンルの料理に触れてきた経験を活かして、自己流で味を組み立てながらメニュー作りをして、お客様の反応を見てブラッシュアップして。
いい意味で枠に囚われない料理でありたいと思っているので、常に勉強し続けている感覚で、修行は現在進行中です。」

新鮮な海の幸とお野菜、素材の味を伝えたい
お店の看板メニューは、横浜の魚市場から仕入れる新鮮な海の幸を使った『魚介料理と、パエリア』。その日仕入れた鮮魚を、お好みの調理法〈アクアパッツァ|蒸し焼き|ロースト〉で指定してオーダーが可能。

翔麻さん:「選べる調理法で断トツ人気なのが、アクアパッツァ。
その日仕入れた鮮魚の種類や大きさによって、旨味の出方が変わるのですが、ベースはあさりとオリーブ、ケッパー、自家製ドライトマトでシンプルに旨味を引き出し、素材そのものからの旨味と塩のみで味を調整します。
魚をダイレクトに楽しんでいただける一品です。」

「パエリアのこだわりは、色々な魚のアラを4、5時間かけて出汁を取り、生のお米から焚いていること。
出汁を取る魚のアラも、パエリアに使用する具材も、その日の仕入れに応じて変わるので、来ていただく度に、表情の違ったパエリアを楽しんでいただけます。」

「地元、静岡にある契約農家“杉正農園”さんで生産された安心安全なお野菜と横浜野菜を仕入れ、美味しい野菜の提供にも力を入れています。
魚も野菜もお肉も、“素材の味を引き出す”ということが一番のこだわり。
たまにお客様から「お酒が飲めなくて、ごめんなさい」とお声がけいただくことがあるのですが、僕自身が、全くお酒が飲めなくて。
お酒が飲めない方も、気兼ねなく立ち寄っていただきたくて、自家製ジェラートやバスクチーズケーキなど、デザートも力を入れてご用意しています。
お酒に関しては、ソムリエのスタッフが厳選した旬なワインなど、常時種類豊富にご用意しています。お酒がお好きな方もお楽しみください。」

美味しいエスプレッソ、あります。
─── お料理以外のこだわりを教えてください。
翔麻さん:「このまちは、大学が近いこともあって学生向けのお店が多く、家族で行けるお店が少ないんです。
休みの日に、わざわざ遠出しなくても、近所で気軽に家族で食事ができるお店を作りたくて。ベビーチェアーを用意していたり、女性の方が利用しやすいように“少なめ”でのオーダーもお受けできるようにしています。
僕が4人兄妹の長男で、3人の妹と母の女性だらけの中で育ってきたこともあり、女性の気持ちがわかるというか。女性のお客様が気軽に立ち寄れるお店にしたいという気持ちが強いです。」

「なかなか、美味しいエスプレッソが飲めるお店ってないんですよね。食後に美味しいエスプレッソを楽しんでいただきたくて、バリスタも勉強しました。
砂糖を入れて、香りを楽しみ余韻を味わいながらいただく本場イタリアのエスプレッソの楽しみ方を体感いただけるように、メニューに飲み方のご案内を記載しています。
このコーヒーを求めに、来てくださるお客様も少しづつ増えてきていることが本当に嬉しいです。もちろん、コーヒー一杯のご利用も大歓迎です。」

GENTILEにainiko
─── OPEN間もなく長期の休業や時短営業を余儀なくされ、変動の多い1年で大変ではありませんでしたか。
翔麻さん:「時短から始まったことが、徐々にお店を加速することに繋がったので、結果良かったと思っているんです。
お客様たちが本当に優しくて。お客様たちに味を伺いながら、料理を進化させることができた1年でした。ここにお店を構えることができてよかったです。
店舗を増やしたいなんて思いはなくて、まちに根付いたお店として細く長くやっていければと思っています。」

翔麻さんが“優しい気持ちになれる場所”と想いを込めた「GENTILE」はその名の通り、優しさの循環がうまれる場となっていました。

GENTILE(ジェンティーレ)
住所:神奈川県横浜市神奈川区西神奈川3-1-6 松田ビル 1F
Instagram:@gentile142857