ハードな仕事からリフレッシュしようと有給を使って散歩しているときに、
ーーーbook café élever に出会った。
『今日はもう終わりなんですけど、中見ていかれますか?』
スタッフのそのやさしさにホッと心が和らいだ。

その日をきっかけに、エルヴェさんでは、
アーティフィシャルフラワーの作品を展示していただいたり、
ワークショップをさせていただいたり、仕事になる場所であったり、
カフェとしてゆったりと過ごす場所として利用している。
私のお気に入りの場所book café élever、
同じ大倉山で美容室をされているanoukのオーナー堀内 拓さんにお話を伺いました。

文章:arisa_bouquet 写真:ミョウレンジャー 構成:ミョウレンジャー
地域と繋がり、人と人が繋がる空間
人が繋がって育っていく、感性を育む場所
遊ぶ、大人も子供も心が楽しめる空間が軸の人がつながるスペース
普通にしてたら人とつながらない現代、だからこそ
美容室anoukのオーナーが2店舗目に構えたのは異業種の空間だった。
―――――妹島和代さん建築の大倉山住宅でカフェを開こうと思っていたのですか。
堀内さん(以降、敬称略):『場所はどこでもよかった』
美容師同士の横のつながりが少なくどこか閉鎖的な関係を感じていて、
人がつながる場所を作ろうと思ったのがきっかけで、場所はどこでもよかった。
そんなとき、ちょうどタイミングよく、pukutto食堂のもえさんから
この魅力的な建築の一室が空いたという話をいただきました。
と堀内さんは話す。
この空間のはじまりが人と人の繋がりから始まっていた。
―――――éleverさんに出会ってから、私も大倉山でつながりを持てるようになりました。
堀内:美容師をしていると街の人とふれあう時間が限られた中で、どこかに行ったときにéleverの堀内として認知されている環境がすごいことだなと。
ここをOPENして1年半。本職が美容師の自分とそこに集まってくれたスタッフたちと、0から作ってきた1年半は、決して華やかなことや楽しいことばかりではなく、大変なことも沢山あった。そんな色々なことを通して、人との繋がりの大切さを想い知らされた1年半でした。
大倉山というこの地で、このéleverでつながりを持てるようになった。と声をかけていただくことは、私にとってとても嬉しい言葉です。

美容室と飲食店は異業種、経営の仕方も違えば、苦しかったことは何千個も・・・
近隣には安くてすぐに提供されるチェーン店のカフェもある。
どう差別化を図るのか。
そこにはトライアンドエラーを繰り返して今のエルヴェがあった。
変化を続けないと、安定するか衰退するかのどちらか。
変化を続けないと上がっていくことはない。と語る堀内さん。
ここでしか出会えない特別も差別化のひとつ
éleverでしか購入が難しい京都の老舗お茶屋さん柳桜園茶舗さんの刈番茶や、
むかしながらの炭火で火入れをするお茶、炭火茶の販売や、
廃棄予定のお花を使ってサステナブルなキャンドルを製作するLinoさんの
キャンドルやサシェを常設販売。
まちのキャラクターステッカーも魅力のひとつだ。

――――――「繁・育・遊」を軸にしていると思うのですが、
はじめたころと変わった部分はありますか。
堀内:軸にしていることは変わらず、お客さんも楽しめるような、
心が楽しくなる遊び心のある店に1年半経って変化してきたと思います。
現在、éleverさんでは、大倉山の街との繋がりや、遊び心のある店として、
街を育む場所として様々なイベントや間貸しカフェを行っている。
月曜の朝は学芸大学で自然食品店、五風十雨さんを営む小山さんが提供くださる、
朝カフェ。
月曜の夜には、間貸しカフェ&バーとしてLIFE.COFFEEさんの
こだわりのコーヒーやオリジナルコーヒーカクテルを楽しめる夜カフェ。
木曜にはカナダを愛する大倉山のカフェ、
WHITE SLICEさんのビスケット販売もスタート。
通常メニューのホットドックは、
大倉山の肉のヤマザキさんの肉汁がじゅわっとおいしいソーセージを使用。
大倉山にも店舗を構えるTERA COFEEさんとのコラボコーヒーも完成。
飲めるのはéleverさんだけの特別なコーヒーだ。

トレードマークの帽子について話を伺うと堀内さんの人柄が見えてきた。
堀内:『仕事中は話さない、職人だと思っている』
いつも被っている帽子は自分の髪をセットすることよりも、
お客様の髪をセットすることが本質であるから。
美容師の堀内さんは職人としての一面を感じた。
昔の趣味は息抜きにフットサル、
本は伊坂幸太郎さんが好み、映画鑑賞が好きだと話す。
映画や読書は教養として美容室でのお客さんとの会話へつながり、
趣味も仕事へとつながっていた。

今回のインタビューでは堀内さんの職人気質に触れることができた。
仕事ではない日常もすべてが仕事ににつながっているのは、
そこにいる人のため、あなたのため。
わたしがéleverさんで清々しく、前向きな気持ちになれる場所だと思う理由には、
人とつながる空間、そして街と繋がり育まれる時間、
場所として飽きのこない工夫、遊び心のあるお店であることが
堀内さんのトライアンドエラーの積み重ねによって、
プラスのスパイラルへ変化し続けているからもしれない。
住所 横浜市港北区大倉山3丁目5-11 大倉山集合住宅 G号
Instagram @804_elever
