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    人に寄り添うリラクゼーションサロン|ほんじつの癒し|大倉山

    東急東横線の 大倉山駅から徒歩8分、住宅街の中に佇むアロマリラクゼーションサロン「ほんじつの癒し」。静かな環境にあり、玄関に入ると心地よい ウェルカムアロマ が香り、日常の疲れを解きほぐしてくれる空間が広がっています。

    2024年9月にOPNEしてから人気で予約が取りずらいほど。プライベートでは双子のお子さんのママというオーナーの吉田さんにお話しをお伺いしました。

    心の拠り所になる場所

    私が癒しを求めていた時、Instagramで目にとまったのが「ほんじつの癒し」でした。白を基調とした落ち着いた内装と、もともと好きだったアロマの世界観に惹かれ、自然と定期的に足を運ぶようになっています。

    サロンを訪れると、オーナーの吉田さんが柔らかな佇まいで迎えてくださり、

    柔らかな光が差し込む部屋の椅子に腰をかけると、観葉植物や吉田さんのお気に入りの作家さんたちによるリースやキャンドルが優しく出迎えてくれます。

    ドリンクは3ヶ月ごとに季節の移ろいに合わせて変わり、その時々の旬の味わいを楽しめるのも魅力。

    25種類のエッセンシャルオイルの中からその日の体調や心の状態に合わせて「今、体が欲している香り」を提案してくれます。

    使用するエッセンシャルオイルはプラナロム精油ひとりひとりに合わせて、そのときその方に合ったエッセンシャルオイルをご提案することは吉田さんが特に大切にしている時間。

    そんな風に、施術前に座って一息ついて心を落ち着かせる時間が設けられています。

    施術が始まると、まるで異世界にトリップしているかのような心地よさ。

    施術が終わると、無添加の身体に優しいドライフルーツや黒糖が用意され、優しさを感じる余韻の中が心地よい。

    店内は「ぼーっとできる空間」であることを大切にし、余白を意識して作られています。一人ひとりがそれぞれの「今日の癒し」を持っている中で、その一部になれたら。そんな想いから「ほんじつの癒し」という名前が生まれました。

    ここでは、無理をせず、気持ちを緩め、自分らしさを取り戻す時間を過ごせます。まさに「心の拠り所」と呼べる場所。五感すべてで癒しを感じられる、特別な時間が待っています。

    お客様が気軽に一息つける空間を

    「毎月来てくださるお客様が、施術後に“体が軽くなった”と言ってくれることが一番のやりがい。お客様がほんのひと時でも癒されていただけると感じられると、本当に嬉しいです。」と楽しそうに語る吉田さん。

    サロンの価格設定は、吉田さんご自身が子育て中の経験から生まれたもの。ママさんが気軽に通え、毎月通っても罪悪感を感じないようにと、リーズナブルに設定されています。その想いには「明日を少しでも軽くしてほしい」という願いが込められているのです。

    こちらのサロンでは、60分・90分・120分・150分の多彩なコースが用意されており、目的や体調に合わせて幅広く選ぶことができます。短時間で気軽に受けられるものから、じっくり時間をかけて全身を整えるものまで揃っているのが魅力です。

    60分コースは、上半身または下半身のいずれかを重点的に施術する内容で、肩こりや腰の疲れ、足のむくみなど、気になる部位を集中的にケアしたい方におすすめです。90分コースは、全身をバランスよく整えるコースとなっています。

    さらに120分コースでは、全身の施術に加えて「チネイザン」または「リフレクソロジー」を選ぶことができます。チネイザンとは、お腹にやさしく触れることで内臓にたまった緊張や感情をゆるめ、心と体の巡りを整えていくセラピーです。リフレクソロジーは、足裏にある「反射区」を刺激することで全身の器官や臓器に働きかけ、血行促進やむくみの解消、深いリラックスへと導く施術です。特にチネイザンは、体と心の両面にアプローチできる施術として支持されています。150分コースでは、より贅沢に全身を整えることができ、特別な日のご褒美にもぴったりです。

    お客様は近隣にお住まいのママさんが多く、忙しい毎日の合間にリフレッシュの時間として利用されているそうです。女性専用のサロンですが、ご紹介があれば旦那様や息子さんなどご家族の男性が来店されることもあります。男性のお客様の中にはチネイザンを受けられる方もいて、内臓や肝臓の強張りをじっくりとほぐすことで、働きすぎによる心身の疲れや頭の中の忙しさが和らぎ、施術後にはすっきりとした軽さを実感されるそうです。

    このように、幅広いコース展開と、女性を中心に安心して通える環境が整っていることが、このお店の大きな魅力です。日常の疲れを癒したい時や、自分をいたわるご褒美として訪れれば、心身ともに深くリラックスできるひとときを過ごせるでしょう。

    アロマのクラフトワークショップという夢

    吉田さんは、以前アロマとハーブの専門店でアドバイザーとして働いていた経験をお持ちです。その知識や経験を活かしながら、現在は子育ての真っ最中。少し落ち着いたら、庭に植えているハーブを使ったアロマクラフトのワークショップを開くのが夢だと語ってくださいました。

    サロンの玄関前には、ティートゥリー、ゼラニウム、ラベンダー、ローズマリー、レモン、エルダーフラワーなどのハーブが植えられています。目の前のハーブがどのように精油へと変わり、それを暮らしの中でどう活かすことができるのかを、多くの方に知ってほしいと考えているそうです。

    日常の暮らしの中でも、吉田さんはお子さんと一緒にヨモギを摘んでクリームを手作りするなど、アロマやハーブを自然に取り入れています。そのライフスタイルはサロンづくりにも反映されており、「子どもと一緒に、明日のための元気を育む場所にしていきたい」という温かな想いが込められています。

    ハーブやアロマの香りに包まれながら、心と体を整えることができるこのサロン。吉田さんの人柄と、自然と寄り添う暮らしが息づいた空間は、訪れる人に穏やかでやさしい時間を届けてくれるのです。

    新メニューのタイ古式

    お休みの日には、ご自身もリラクゼーションサロンに足を運び、施術を受けながら学びを深めている吉田さん。常に新しい知識と技術を取り入れ、お客様に還元しようとする姿勢が印象的です。その成果として、今年中にはタイ古式マッサージ の新メニューがスタートする予定。より幅広いニーズに応えられるようになり、癒しの選択肢が増えることに!

    また、アロマは特に ストレスを抱えている方 や 呼吸が浅くなっている方 におすすめ。深い呼吸を取り戻し、心身のバランスを整える手助けをしてくれます。

    「ほんじつの癒し」は、常に進化しながらも、訪れる人にとっての“心の拠り所”であり続けるサロンです。毎日の忙しさの中で、つい自分のことを後回しにしてしまうことはありませんか?
    「ほんじつの癒し」は、そんな日常にそっと寄り添い、心と体をふわりと軽くしてくれる場所です。ご自身のために、ほんの少しの時間をつくってみる。その積み重ねが、明日をもっと心地よく、軽やかにしてくれるはずです。

    ほんじつの癒し
    住所(ご自宅サロンのため非公開):東横線 大倉山駅〜徒歩8分/港北区役所〜徒歩3分
    Instagram https://www.instagram.com/hni_salon/

  • 「夢はかき氷おばあちゃん」 手作りに込められた、優しさとこだわり|菓子工房 雫|白楽

    「夢はかき氷おばあちゃん」 手作りに込められた、優しさとこだわり|菓子工房 雫|白楽

    東急東横線 白楽駅から歩いて5分ほど。
    六角橋商店街を抜けた大通り沿いの一角に「菓子工房 雫」があります。

    鮮やかな青い壁が印象的な店内には、温かみのある木のカウンターと カラフルで可愛らしいステンドグラスたち。そんなほっとする空間で、カウンター越しに笑顔で迎えてくれる方が オーナーの阿部直美さんです。

    デザイナーとしての感性が光る空間づくり

    直美さんは大阪出身。学生時代は洋服に興味を持ち、高校卒業後はアパレル系の学校へ。20歳で上京し、念願だったブランドでアパレル業界でのキャリアをスタートさせました。

    その後はフリーでデザインの仕事をしながら下北沢のエスニックバーでアルバイトを始めます。
    昔からカフェ巡りや料理が好きだったという直美さん。この頃から「自分のお店を持ちたい」という思いが芽生えるようになりました。
    そしてその思いを行動に移し、自身のカフェバーを下北沢にオープンします。

    このようなデザインの仕事をしていた経歴は、雫の内装や空間づくりにも自然と現れているようです。中でも作家さんに依頼して特注したステンドグラスは直美さんのお気に入り。温かみ手作り感を大切にしたという空間には、細部にまでこだわりが伺えます。

    手間をかけることで美味しく仕上げる

    結婚と出産を経て一度はお店を畳むことに。それでも「もう一度自分のお店がやりたい」という気持ちは変わらず、2015年12月 白楽の街に「雫カフェ」をオープン。
    当時はお食事メニューも提供していましたが、その後焼菓子とかき氷を中心にした現在の営業形態へと変え、2022年4月に「菓子工房 雫」として再スタートしました。

    「毎日食べたくなる優しいお菓子を作りたい」

    その想いが詰まったお菓子のこだわりを伺いました。

    直美さん:「お砂糖にはすごくこだわっています。昔大好きなパン屋さんがあって、そのお店のクリームパンが、きび砂糖で作ったカスタードクリームを使っていたんですよ。その美味しさにもう感動して。

    『お砂糖ひとつでこんなに味が変わるんだ』と感じてから、自分でお菓子を作るときにも優しい感じの甘さを追求したいなと思って、きび砂糖や、てんさい糖から作られるビートグラニュー糖を使っています。」

    種類豊富な焼菓子。野菜がゴロゴロと入ったケークサレが絶品!

    夏の間は焼菓子の提供がお休みに入り、かき氷のみの営業。

    かき氷に入れるシロップや練乳、ジャム、あんこ、ゼリーに至るまで、なんと直美さんが一から全て手作りされています。

    直美さん考案のかき氷メニューは、どれもおすすめの味ばかり。
    雫定番の味は「みたらしみるく」。あまじょっぱい味がかき氷と合うのだとか。

    直美さん:「最近のかき氷って高級なものになってしまっていますね。あんまり高いと、なかなか気軽には食べられないじゃないですか。高級フルーツを使ったら必然的にお値段が上がってしまうのはしょうがないけれど、そうではなくても私は手間暇かければ美味しくなると思っているんです。

    高級な材料を使うよりも、価格はできるだけ抑えつつ 手間をかけることで美味しく仕上げる。そうすることで、美味しいものを材料に見合った価格で提供できるようにしています。」


    「常連さんはもちろん、 ”お洒落でふわっとしたかき氷” をまだ食べたことがなくて気になっている人にはぜひ一度食べてみてほしいです。」

    梅子 -UMEKO-
    ふわふわな氷の中にはクリームやジャム、ゼリーが入っていて食べ進めるのが楽しい!

    街に”寄り添う”

    ─── お仕事をしていて嬉しいと感じるのはどんな時ですか?

    直美さん:「純粋に『美味しい』と言ってもらえることが一番の幸せです。

    お客さんはこの街の方が多くて、常連さんなんてお店におしゃべりしに来る感じ。
    恋愛相談とか人生相談とかされて、おこがましいかもしれないけれど ちょっとアドバイスしたりして(笑)。
    そうやって会いに来てくれることは本当に楽しいし、嬉しいです。


    ”街に寄り添うお菓子屋さん” になりたいと思っていて、そこにだんだん近づいているのかな。」

    店名の『雫』には、「嬉しいときの涙や悲しいときの涙、いろいろな人のしずくを受け止める」という意味が込められているのだとか。

    その想いの通り、お店に来るお客さんひとりひとりとの時間や会話を大切にしているからこそ、街の人々の心を掴んで離さないのでしょう。

    菓子工房 雫 にainiko

    取材中も場の空気を一瞬で和らげてしまうような、明るく朗らかな人柄が印象的な直美さん。

    「今後、やってみたいことはありますか?」と伺うと

    「将来、 ”かき氷おばあちゃん” になれたらいいな。
    おばあちゃんになって腰が曲がりながらも、めちゃくちゃ美味しいシロップとか作っていたら、かっこよくないですか?」

    と笑顔で答えてくださいました。

    一見お茶目なその言葉の中には、
    「これから先も本当にいいものを届けたい」「好きなことをずっと続けていきたい」
    という、信念の強さが感じられました。

    そんなまっすぐな気持ちから生まれるお店の味は、これからもきっと、街の人に愛され続けていくはずです。

    こだわりの詰まった優しいお菓子と温かい空間に、つい心を開いてしまう。
    そんな「菓子工房 雫」へ、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

    菓子工房 雫
    住所:神奈川県横浜市神奈川区六角橋1-16-1
    Instagram https://www.instagram.com/shizuku_cashi/

  • 日常生活の中に潤い・寛ぎ・愉しさを|喫茶ありをり|大倉山・大曽根

    日常生活の中に潤い・寛ぎ・愉しさを|喫茶ありをり|大倉山・大曽根

    東急東横線の大倉山駅から大曽根商店街へとつながる道を歩くこと5分。

    “いつもよりスピードを落として、

    今、ここにいる自分自身を感じてほしい。

    いっしょにいる大切な人を感じてほしい。”

    そんな想いから生まれた「喫茶ありをり」を営むご夫婦、本間達哉さん、本間智子さんに会いにいきました。

    筆者がありをりを訪れるのは2回目。

    初めて訪れたのは、今から半年ほど前の6月2日(日)。天気:雷&豪雨。

    土砂降りのなかお店に着くと「ゆっくりしていってくださいね」と声をかけてくれたご夫婦。

    初めてなのに心地が良くて、温もりを感じる空間。

    ここは単なる喫茶店ではない。

    木曜日から日曜日、週4日間限定でオープンする「ありをり」の魅力に迫ります。

    文章:arikanami728 写真:myourenjar 構成:myourenjar

    からだに優しい「卵と乳製品を使わない」お食事とおやつ

    ありをりのお食事といえば、豆乳のフリカッセ。

    フリカッセは、フランスのロワーヌ地方の家庭料理で「白い煮込」のこと。

    通常は、生クリームを使用しますが(生クリームは最後に入れるため煮込まないようです。)、喫茶ありをりでは豆乳を使い、小麦粉の代わりに米粉を使ってなめらかに優しく仕上げています。

    フリカッセに添えられた柚子胡椒が優しいあじわいにアクセントをもたらします

    ご夫婦に強いアレルギーがあるというわけではありませんが、からだに負担がからない、疲れない料理を提供したいという想いがありました。

    そのきっかけになったのは、達哉さんが以前受けた“遅延型アレルギー検査”でした。

    卵と乳製品が合わないことが分かり、3か月くらい断ったそうです。当時はスイーツを食べたくなっても卵と乳製品を使っていないスイーツが売っていなかったので、レシピ本を見ながら自分で作るようにもなりました。

    再検査をしてみると、アレルギー値の低下はもちろん、体重が5kg減少し、からだの調子もよくなりました。そんなことから、お店を開くときは、からだに優しい卵と乳製品を使わなくても美味しくいただける料理を提供しようと決めました。

    メニューにある単品の半分サイズのおやつを自由に3点選べる「おやつ3点セット」

    卵と乳製品を使わないと物足りない味なのでは?と思う方もいるのではないでしょうか。

    ありをりのお食事とおやつはそんなことありません。

    看板メニューのフリカッセは、塩麴でつけた柔らかい鶏肉を、豆乳と米粉でじっくり煮込むことでなめらかで濃厚なあじわいに。おやつのさつまいもと栗の米粉ケーキは、もっちりとした食感と果物の自然な甘さが口いっぱいに広がり、からだに優しくて、こころも満たされる一品です。

    居心地の良さを追求した温もりある場づくり

    ありをりでは、憩いに来る方、食事に来る方、読書をする方など、お客様が思い思いの時間を過ごしています。時には居心地の良さから居眠りをしてしまう人もいるのだとか。

    優しさが詰まった味わい深い料理

    温かみのあるオレンジ色の明かり

    本好きの店主おすすめの本棚

    穏やかに流れる音楽

    木のぬくもりを感じる机や椅子

    ありをりの「場」は、居心地の良さを追求したご夫婦のこだわりがぎゅっと詰まっています。

    喫茶ありをりのメニューには、「ありをりからのおたより」という店主からのメッセージとともに、「ありをりへのおたより」というお客様が記入できるメッセージカードがあります。

    「ありをりへのおたより」を始めるきっかけとなったのは、あるお客様が置いていった小さなメモでした。そのメモには「とても良い時間を過ごすことができました」と書かれていました。

    ご夫婦はそのメモを見てとても温かい気持ちになり、お店からのメッセージだけではなく、お客様からのメッセージも受け取れるようになると嬉しいと感じ、「ありをりへのおたより」が誕生しました。

    スープメニューは「ありをりへのおたより」に書かれたお客様のご要望で誕生しました

    メッセージには、お食事やおやつの感想を書いてくださる方もいれば、

    「尊敬する上司が亡くなってしまったので癒されに来ました」

    「闘病中でなかなか来れなかったけれど今日は来れて嬉しかったです」

    「子どもが生まれてから初めて一人でほっとする時間が持てて元気になりました」など

    内なる想いを綴られる方もいらっしゃいます。

    ありをりへのおたよりは、対話を大事にしているありをりにとって、“お客様と店主をつなぐ大事な架け橋”になっています。

    仲良しの秘訣は、お互いの得意なこと・苦手なことを分かった上で補い合うこと

    日常生活の中に彩りを届けたい

    ありをりでは、月に一度、お花やフルーツを販売する「フラワー&フルーツマルシェ」を開催しています。2023年3月から始まった、NATSUMEさんによる店頭でのお花の販売に加えて、フルーツ倶楽部のimeotiさんによる季節のフルーツ、さらに2024年からは、お米と糠のおやつ屋けせらせらさんがつくる焼き菓子が販売される人気のイベント。

    こだわりのお花やお菓子、選りすぐりのフルーツを求めて、ご近所の方だけでなく遠方より来てくださる方も。

    毎回楽しみに来られる方、イベントを通して親しくなった人たち、出産前から来てくれていた方が出産後も赤ちゃんと一緒に来てくださる方など、思い思いに、心穏やかなときを過ごしています。

    「月一のプチマルシェや、ライブなどイベントが、日常の生活の中に潤いや、寛ぎや、愉しさを取り入れるきっかけになれば、という気持ちとともに、それを販売する人そのもの、演奏されるその人自身の魅力を伝える場所でありたい」と智子さん。

    ありをりでは、お客様とお店、人と人、人とまちをつなぐきっかけを創っています。

    ありのままの自分にainiko

    初めて訪れた半年ほど前から感じてたありをりの心地良さが忘れられず、今回取材させていただきました。

    仕事や家事、悩み事や相談事など、色々なことに追われる毎日だけれども、ありをりに来た時は、ありのままの自分を認めることができます。

    それは、達哉さん、智子さんが背伸びをせず、足を運んでくれたお客様をまるごと優しく受け止めてくれるから。程よい距離感で対話を重ねてくれるから。

    そうなんです。

    ここは単なる喫茶店ではなく、

    1人で来た人も、

    複数で来た人も、

    ここにいるみんなが一緒にいて心地よい空間。

    「『ありをり=一緒にいますね』」を感じられる唯一無二の場所。

    ぜひ、みなさまもありをりの心地良さをあじわいにいってみませんか。

    喫茶ありをり
    住所:〒222-0003
    神奈川県横浜市港北区大曽根1-9-9 1F
    アクセス 東急東横線大倉山駅西口より徒歩5分
    HP https://www.ariori-to-yururi.com

  • あたたかい一杯にこもったおもてなしの心|七志|大倉山

    あたたかい一杯にこもったおもてなしの心|七志|大倉山

    あたたかいものを食べると、ホッとしますよね。

    今回お伺いしたのは、大倉山の駅前にある「七志」さん

    株式会社ナナシフードサービスが横浜・川崎・東京を中心に展開している、とんこつラーメン専門店です。

    濃厚でまろやかなとんこつスープに、つるっとしたコシのある麺が特徴です。

    私が感激した、七志さんの接客

    わが家は、家族みんなラーメンが大好き。

    休日のお昼、家族そろってお店に伺うと、店員さんが持ってきてくれるのは「ベビーチェア」

    ベビーチェアがあるラーメン屋さんには行ったことがなかったのでびっくり!

    子どもを連れていると騒がしくなってしまい、外食は何かと気を遣うことが多いけれど、こちらは子どもも「ウェルカム!!」と、言っていただけているような・・・

    注文をすると「ラーメンはすべて一緒におつくりしますか。それとも、どれか、あとからお作りしましょうか」と聞かれて、またまたびっくり!!

    私たち大人が食べるラーメンが冷めないように、配慮してくださる、その一言にジーンと温かい気持ちに。

    子ども用のお皿やカトラリーの用意ももちろん。子どもには、先に「海苔」をだしてくださるので、そうこうしているうちに、おいしいラーメンが登場。はらぺこキッズたちは騒ぐ間もなくおいしいラーメンを家族そろっていただけるんです。

    七志に伺うたびに温かい接客を受け、それが当たり前のようにも思えるけれど

    こうやって思い返してみても、こんなに温かい対応をしてくれるお店は他にはない・・・と私は思うのです。

    そんな七志さんのことをもっと知りたくて・・・

    店長の齋藤巨英さんにお話を伺いました。

    「気づいて行動すること」を大切に

    「七志ではお客様から『これください』と言われる前に『気づいて行動すること』をモットーにしています。

    お子様がいらっしゃったら、お子様のお皿やフォークをお渡しする。大人の方には紙エプロンやヘアゴムをお渡しする。

    完ぺきではないけれど、お客さまの様子を拝見しながら、気持ちよく過ごしていただけるよう心がけています。『気づける人材』の育成に力を入れているつもりです。」と齋藤さん。

    齋藤さんご自身も子育てを経験されていて「パパさん、ママさんにも気兼ねなくおいしいラーメンを食べていただきたい」という想いがベースにあることから、

    私が受けた接客も、齋藤さんならではのサービスなのだな~と納得しました。

    以前は物流倉庫に勤務し、フォークリフトに乗って、力仕事をしていた齋藤さん。

    事務仕事に変わったことをきっかけに、自分には体を動かす仕事があっているのでは?と考え、転職。

    以前、ラーメン屋さんでアルバイトをしていたこともあり、そのときの楽しかった記憶から、ラーメン業界を検討。そして、ナナシフードサービスに入社。

    いくつかの店舗を経験し、10年ほど前から七志大倉山店店長として勤務。

    「決しておしゃれなお店ではないんですけどね、、、」と謙遜しつつも、女性のお客様から「入りやすい!!」とのお声も多数届いているそうです。

    「ラーメンをおいしく食べてもらって、笑顔で帰っていただきたい」

    そんな想いで毎日、心を込めてラーメンを作っています。と話す齋藤さんが印象的でした。

    七志ラーメンのこだわり

    とんこつラーメン専門店・七志のラーメンは、とんこつ醤油をメインに濃厚でクリーミーな味わいが特徴。

    スープは『七志、こくまろ、白醤油、魚介』の4種類。他に、担々麺、つけ麺などもありますが、齋藤さんの一番のオススメは「全部のせラーメン」。店内で作られたこだわりのトッピングが、すべて一気に楽しめる贅沢な逸品!

    アプリ会員には様々な特典があり、その中のひとつが
    「お誕生日メッセージ特注の海苔」プレゼント!これは嬉しいサービス!

    子ども向けの誕生日サービスは時々見かけるけれど、大人の誕生日に何かもらえることは少ないと思うので、特別な日にもらえる海苔と温かいメッセージで、さらにハッピーな気持ちに。

    特に私がすきなのは「角煮」。とろとろで、口に入れるとお肉の旨みが広がります。

    歯ごたえのよい「たけのこ」や「茎わかめ」もアクセントになっていて、独特の食感が楽しめます。見た目も味も食感も、五感で楽しめる、おすすめの逸品。

    齋藤さんは「辛党」とのことで、オススメは担々麺。にんにく2かけ、辛味ネギを追加すると、さらに辛さが楽します。また、自らシェフに直談判し「辛野菜ラーメン」を提案。2年ほど前から大倉山店限定メニューとして販売

    赤唐辛子×山椒×カイエンペッパーの燃える辛さとたっぷり200gの野菜がマッチ。お好みで魚粉をまぜて、味変をしても楽しい一杯とのことです。

    辛いのが大好きな方は、ここでしか味わえない限定メニューですので、ぜひお試しくださいね。

    今日何食べる?・・・ふと思い浮かぶお店

    私が初めて来店したのは8年前に、夫と2人。

    その後息子が生まれ、私がおんぶをしながら(笑)ラーメンを食べて

    そのうち、お店のベビーチェアに座らせていただき、「つるつる~」と言いながらフォークで一生懸命、ラーメンをほおばっていた息子も成長し

    今は大人と同じいすに座って、ラーメン一人前をぺろりと食べられるようになりました。

    そして3歳の娘もベビーチェアに座って、一緒に七志のラーメンを楽しんでいます。

    おひとりでももちろん、お友達同士やご家族連れにもおすすめの憩いのお店です。

    今日何食べようかな・・・そんなときは、ほっと心あたたまる

    七志の齋藤さんに、会いに行こう!!

    (左から)七志 大倉山店 渡部亨さん、店長 齋藤巨英さん

    ainiko限定!来店プレゼント

    七志大倉山店にて、ラーメンをご注文いただき「ainikoを見た」とお伝えいただいた方限定で「七志オリジナル味玉」をトッピングしていただけます!この機会にぜひ、七志さんに足を運んでみてください!

    ※2024年5月31日(金)まで

    七志 大倉山店
    住所:神奈川県横浜市港北区大倉山3-1-3 大和地所大倉山駅前ビル1F
    アクセス 東急東横線大倉山駅西口より徒歩1分
    営業時間 11:30~24:30(ラストオーダーは24:10)
    HP https://www.nanashi-food.com/

  • トライ&エラーの連続を積み重ね。人が繋がるbook caféへ |大倉山

    トライ&エラーの連続を積み重ね。人が繋がるbook caféへ |大倉山

    ハードな仕事からリフレッシュしようと有給を使って散歩しているときに、

    ーーーbook café élever に出会った。

    『今日はもう終わりなんですけど、中見ていかれますか?

    スタッフのそのやさしさにホッと心が和らいだ。

    その日をきっかけに、エルヴェさんでは、

    アーティフィシャルフラワーの作品を展示していただいたり、

    ワークショップをさせていただいたり、仕事になる場所であったり、

    カフェとしてゆったりと過ごす場所として利用している。

    私のお気に入りの場所book café élever、

    同じ大倉山で美容室をされているanoukのオーナー堀内 拓さんにお話を伺いました。

    文章:arisa_bouquet 写真:ミョウレンジャー  構成:ミョウレンジャー


    地域とがり、人と人が繋がる空間

    人が繋がってっていく、感性をむ場所

    ぶ、大人も子供も心が楽しめる空間が軸の人がつながるスペース

    普通にしてたら人とつながらない現代、だからこそ

    美容室anoukのオーナーが2店舗目に構えたのは異業種の空間だった。

    ―――――妹島和代さん建築の大倉山住宅でカフェを開こうと思っていたのですか。

    堀内さん(以降、敬称略):『場所はどこでもよかった

    美容師同士の横のつながりが少なくどこか閉鎖的な関係を感じていて、

    人がつながる場所を作ろうと思ったのがきっかけで、場所はどこでもよかった。

    そんなとき、ちょうどタイミングよく、pukutto食堂のもえさんから

    この魅力的な建築の一室が空いたという話をいただきました。

    堀内さんは話す。

    この空間のはじまりが人と人の繋がりから始まっていた。

    ―――――éleverさんに出会ってから、私も大倉山でつながりを持てるようになりました。

    堀内:美容師をしていると街の人とふれあう時間が限られた中で、どこかに行ったときにéleverの堀内として認知されている環境がすごいことだなと。

    ここをOPENして1年半。本職が美容師の自分とそこに集まってくれたスタッフたちと、0から作ってきた1年半は、決して華やかなことや楽しいことばかりではなく、大変なことも沢山あった。そんな色々なことを通して、人との繋がりの大切さを想い知らされた1年半でした。

    大倉山というこの地で、このéleverでつながりを持てるようになった。と声をかけていただくことは、私にとってとても嬉しい言葉です。

    美容室と飲食店は異業種、経営の仕方も違えば、苦しかったことは何千個も・・・

    近隣には安くてすぐに提供されるチェーン店のカフェもある。

    どう差別化を図るのか。

    そこにはトライアンドエラーを繰り返して今のエルヴェがあった。

    変化を続けないと、安定するか衰退するかのどちらか。

    変化を続けないと上がっていくことはない。と語る堀内さん。

    ここでしか出会えない特別も差別化のひとつ

    éleverでしか購入が難しい京都の老舗お茶屋さん柳桜園茶舗さんの刈番茶や、

    むかしながらの炭火で火入れをするお茶、炭火茶の販売や、

    廃棄予定のお花を使ってサステナブルなキャンドルを製作するLinoさんの

    キャンドルやサシェを常設販売。

    まちのキャラクターステッカーも魅力のひとつだ。


    ――――――「繁・育・遊」を軸にしていると思うのですが、

    はじめたころと変わった部分はありますか。

    堀内:軸にしていることは変わらず、お客さんも楽しめるような、

       心が楽しくなる遊び心のある店に1年半経って変化してきたと思います。

    現在、éleverさんでは、大倉山の街との繋がりや、遊び心のある店として

    街を育む場所として様々なイベントや間貸しカフェを行っている。

    月曜の朝は学芸大学で自然食品店、五風十雨さんを営む小山さんが提供くださる、

    朝カフェ。

    月曜の夜には、間貸しカフェ&バーとしてLIFE.COFFEEさんの

    こだわりのコーヒーやオリジナルコーヒーカクテルを楽しめる夜カフェ。

    木曜にはカナダを愛する大倉山のカフェ、

    WHITE SLICEさんのビスケット販売もスタート。

    通常メニューのホットドックは、

    大倉山の肉のヤマザキさんの肉汁がじゅわっとおいしいソーセージを使用。

    大倉山にも店舗を構えるTERA COFEEさんとのコラボコーヒーも完成。

    飲めるのはéleverさんだけの特別なコーヒーだ。

    トレードマークの帽子について話を伺うと堀内さんの人柄が見えてきた。

    堀内:『仕事中は話さない、職人だと思っている』

    いつも被っている帽子は自分の髪をセットすることよりも、

    お客様の髪をセットすることが本質であるから。

    美容師の堀内さんは職人としての一面を感じた。

    昔の趣味は息抜きにフットサル、

    本は伊坂幸太郎さんが好み、映画鑑賞が好きだと話す。

    映画や読書は教養として美容室でのお客さんとの会話へつながり、

    趣味も仕事へとつながっていた。



    今回のインタビューでは堀内さんの職人気質に触れることができた。

    仕事ではない日常もすべてが仕事ににつながっているのは、

    そこにいる人のため、あなたのため。

    わたしがéleverさんで清々しく、前向きな気持ちになれる場所だと思う理由には、

    人とつながる空間、そして街と繋がり育まれる時間、

    場所として飽きのこない工夫、遊び心のあるお店であることが

    堀内さんのトライアンドエラーの積み重ねによって、

    プラスのスパイラルへ変化し続けているからもしれない。

    住所 横浜市港北区大倉山3丁目5-11 大倉山集合住宅 G号
    Instagram @804_elever

  • ここにしかない郷土料理|鯛めし 彩食-亭 やまだ|高田・綱島

    ここにしかない郷土料理|鯛めし 彩食-亭 やまだ|高田・綱島

    横浜市営地下鉄グリーンライン高田駅から歩いて1分ほどにある「鯛めし 彩食亭 やまだ」。

    料理の経験と知識から作り出される料理はどれも美味しい。大将の料理には熱量と人の温かさがある。

    私が物心つく頃から通い続けている、高田で18年続く鯛めし屋の大将、山田進さんにお話をお伺いました。

    文章:Ayaka 写真:ミョウレンジャー  構成:ミョウレンジャー


    手に職を。選んだのは“料理人”

    ───なぜ料理人を?

    山田さん:「父親が職人だったので、私も手に職を持ちたいと思っていました。

    知り合いに消防士を勧められたこともありましたが、板前さんが料理をする姿を見たときにかっこいいと惹かれて、料理人の道を選びました。

    はじめは東中野にある結婚式場の折詰を担当し、のちに新宿や有楽町にある料亭「胡蝶」で料理人として働きました。

    29歳の時、働いていた親方から「助っ人で行ってこい!」と言われ、初めて皿鉢料理を学びに高知県へ行ってきました。隣の愛媛県へ行き、食べ歩きをしてた時に初めて鯛めしに出会いました。

    ここで出逢った鯛めしがに衝撃を受けました。子供から高齢者まで食べれる優しい味で、想像と違う鯛めしにとても驚いたことを覚えています。」

    大将が作る鯛めし

    ───なぜ鯛めしをメインとしたお店をはじめたのか。

    「その後、東京に戻ってきて料理人としての経験を積みました。

    50歳なる手前で独立をし、尾山台でお店を開きましたが、家から遠く仕込みや通勤などが大変だったので、1年で閉めその後、高田でお店を出し今に至ります。

    お店の看板メニューを何にするか悩みましたが、“鯛めしはどこにもないのではないか”と思い、郷土料理のため、関東の人に合うように鯛めしを改良して、鯛めし屋としてお店をオープンしました。最初はタイの国の料理屋さんだと勘違いされることも多かったです(笑)。

    オープンして1年半ほどはとても苦労しました。最初は半年で潰れるんじゃないか、と噂されていたこともあります。

    不安な時期もありましたが美味しい料理を提供し続ければ、お客様はまた食べにきてくださる。と、根拠のない自信を頼りに、ただただ美味しい料理を提供し続けました。

    気づいたころには鯛めしを食べにきてくださるお客様が増えていき、ありがたいことに18年続けることができています。」

    看板メニュー「鯛めし」に次ぐ大将自慢のメニューが「蕎麦」。

    ───蕎麦を始めたきっかけは。

    「元々蕎麦が好きで、色々な蕎麦屋さんを巡ったんです。でも自分の口に合う蕎麦がなかなか見つからなかった。

    好みのそばが見つからないなら、自分で作ってみよう。と思い、半年ほど蕎麦屋で修行を行いました。修行しながら自分の納得いくそばを探求し続けました。

    自分が納得いく美味しい蕎麦にたどり着くまで3年ほどかかりました。納得いく味になるまではお客さまに無料で蕎麦を提供して、感想を聞いてきました。」

    まずは塩で。次は大将自慢のタレで頂くそばは超本格的な絶品蕎麦。

    「美味しいと感じる蕎麦は、タレも蕎麦も両方美味しくなくてはならないんです。

    タレだけが美味しくてもダメ、蕎麦が美味しくてもダメ。蕎麦の本来の美味しさとは、タレも蕎麦も両方美味しいこと。だからやまだでは蕎麦もタレもこだわっているんです。

    蕎麦作りは季節によっても湿度によって配分量が異なりますし、タレも使う素材によって大きく味が異なるので、かなり時間をかけて探求し続けました。

    今では、鯛めしではなく蕎麦を求めに来ていただくお客様もいらっしゃいます。自慢の一品です。」

    身体が動くうちに美味しい料理を味わいたい

    ───今後の大望は?

    「70歳までは今のスタイルでお店をやっていくけど、ゆくゆくはお蕎麦と鯛めしだけやりたいと思っています。その後は、美味しいご飯を食べるために、いろんなところに行きたいです。」

    調理場に立つ真剣な眼差しの大将

    高田の郷土料理 やまだの鯛めし

    巷では有名な鯛めしやまだ。しかし大将の背景は謎のまま。店内に表彰状がたくさん飾ってあるものの詳細を知っている人は少ない。

    高田の郷土料理 鯛めしやまだ

    私はオープン当初から通い続けています。
    オープン当初は私は小学生で、母と妹3人で今はないカウンター席に座り、鯛めしを3つ注文しました。

    私と妹はカウンター席から身を乗り出し、鯛めしを作っている様子を見ていた記憶があります。
    違う日に行った時には、おじさんが調理場へ入ってもいいよっと言ってくれて、調理場からおじさんが料理を作る姿を見たことがあります。

    それ以来、鯛めしやまだのメニューを色々楽しみつつも私の推しは鯛めしになり、”いつもの”になりました。

    母が体調を崩した時、妹と1000円を握りしめ、おじさんのところに行きました。
    いつもはお母さんと3人で来るのに、子ども2人だけで来たので、おじさんとおばさんは驚きつつも、話を聞いてくれて、”いつもの”を注文しました。

    “いつもの”は、今も変わらず美味しく優しい味。18年経った今でも私の中では高田の郷土料理です。

    どの世代でも楽しめるやまだ。
    おじさんおばさんが引退するまでに、おじさんの作る優しい味を楽しみたいと思っています。

    彩食亭やまだ
    神奈川県横浜市港北区高田東3-2-3 綱島ダイヤモンドパレス1F

  • 自然か、不自然か。|五風十雨|学芸大学駅

    自然か、不自然か。|五風十雨|学芸大学駅

    学芸大学駅から徒歩7分。閑静な住宅街に、自然食品を扱う「五風十雨(ごふうじゅうう)」はあります。

    お店に入ると、おしゃれで落ち着く空間が広がっています。
    「510CAFE」というカフェも併設されていて、素材にこだわった食事やデザートなどが楽しめます。

    五風十雨の責任者を務め、スタッフとしても店頭に立つ小山さん。そんな小山さんと私が初めて出会ったのは、学芸大学ではなく、“大倉山”でした。

    私が大倉山のブックカフェ「élever(エルヴェ)」という場所でスタッフをしていた当時から、小山さんはéleverで朝カフェや、ちょっとしたイベントを開催してくれていたんです。

    éleverのテラスでピクニックをした時の写真。

    éleverで小山さんと関わるうちに、読書家なこと、一児のパパであること、世界を一周した時のこと、甘いものに目がないことを知ったり。

    小山さんがéleverでイベントをしたり、地域に積極的に関わる姿を間近で見ている中で、この人はどんな人なんだろうという興味が湧き、今回お話を伺わせていただくことになりました。

    文章:amkadowaki 写真:myourenjar 構成:myourenjar


    ナチュラル・ハーモニーの精神を継ぐ自然食品店。

    「五風十雨」は“ナチュラル・ハーモニー”という自然食品の会社から派生して生まれたお店。店内には、食品に限らず生活に関わる幅広い商品が陳列されています。

    ───自然食品とは言いつつ、並んでいる商品が幅広い印象を受けました。ホームページには「ナチュラルライフをデザインする」と記載されていましたが、食品に限らず「生活」と表現するのはなぜですか?

    小山さん:「まず、業界の中でも大きく違うところは、自然界に軸を置いてること。簡単に言っちゃえば、世の中の自然食品店が『知性で選びましょう』というところを、ナチュラル・ハーモニーは『感性で選びましょう』と言っているんです。」

    ───「知性」というのは、例えば「1日分のビタミンが取れるサプリメント」とかそう言うことですかね?

    小山さん:「そうそう、『サプリメントって必要なのかな?』ってその生活自体に疑問を持ってしまう。だから『その生活を変えてみよう』みたいな。そういった流れで、生活提案なんです。

    ビタミンが足りないのはなぜだろう、というところを考えていきたいです。対症療法をするんじゃなくて、根本的な療法をしましょうっていう。」

    「あとは『自然か不自然か』で判断するライフスタイルがものすごく楽でした。

    1日にビタミンは何gとらなければいけないとか、よくわからなくて。だって、私とあなたは違うし、自分の気分によっても違ってくる。たしかに傾向としては正しいと思うけれど、それがその人にとっての正しさかと言ったらそれは違うし。

    正しい・正しくない、良い・悪いとかで話し始めるとどんどん分からなくなっていくから、やっぱり自然界を軸にして、自然なものをより多く、不自然なものをなるべく摂らない。それで良いじゃん、って思うようになりました。」

    ランチメニューの「スパイスカレー」は、510CAFE の定番メニュー。

    「自分自身も、甘いものが大好きなんですが、そっちが多くなると体に支障が出てきたりするので、普段の食事はなるべくより自然なものを食べるようにしています。その分、たまの外食や嗜好品は何も問いません!というスタンスです(笑)」

    ───ナチュラルハーモニーの考え方が小山さんにとっての心地よいライフスタイルとマッチしたということですね。

    つくり手とつかい手、「つなぎ手」としての役割

    小山さん:「ありがたいことに、つくり手(生産者さん)とつかい手(お客さま)の両方と繋がれる、つなぎ手として育ててもらったので、つなぎ手として何が出来るかなっていうのは思います。

    考え方であったりとか、精神的な部分にも、落ち着いて穏やかで居られることも大事なことだと思うので、そういうのもゆっくり伝えられたらいいなと思っております。

    あなたの中のちゃんとした安心・安全・健康・おいしい』とかそういうものを作るための提案ができるといいかな。」

    ───そのつなぎ手としての役割は、小山さんの暮らす大倉山での活動でも発揮されていると感じます。

    小山さん:「大倉山は、たまたま『カラフル』という、まちのイベントに出店させてもらって、それを機に色々なお店さんと繋がりができました。

    それから、地域で自分ができること、お金を落とすことが一つだけど、他にプラスアルファで何かできればと思っています。」

    ───éleverで開催している「味噌汁のむかい」は、五風十雨の商品を使ったおにぎりやおかずを食べながら、みんなでお話ししましたねそれは何か意識していることはありますか?

    写真のようなおかずのプレートとお味噌汁をいただきながら食品にまつわるお話を聞けちゃいます。
    これで参加費500円というのも驚きです。

    小山さん:「場作り。そんな想いで朝カフェをやらせてもらっています。ただ自分が居たいのもありますが(笑)

    自分からこうしようみたいなものは無くて、その場で出来ることがあればしますという感じです。場があれば、なるようになると思っているんですよね。」

    「15年くらいこの業界いるんですが、自然食品を食べて、その良さ気付けない時も未だにあるんです。だけどやっぱり、ふとした時に『また食べたいな』って思えるんですよね。

    『味噌汁のむかい』とかはそういった経験の入り口にしたいです。『あの海苔美味しかった』とか『あのご飯美味しかった』って思ってもらえれば嬉しいです。

    喉の通りがいいとか、違和感を感じないとか嫌じゃないとか。日々ご飯を食べるってそういうことの方が大切だったりしますね。」

    地域について思うこと。

    小山さん:「大企業のチェーン店がたくさんある世の中で、それでも良いんですが、地域のカラーが無くなっちゃうのは画一的になるしつまんないと思ってしまいます。

    大倉山は個人店が元気がある地域だと思うんです。各駅停車の駅で、地域的な要素もあるのかもしれませんが、集まる皆さんの教養とか文化のレベルも高いから個人店を使うのもある気がしています。

    その中で、個人店が残ってほしいし、その一助になれば。

    感覚としては町内会で何かをやる時に、稼ぐって感覚ないじゃないですか。その感覚ですね。町内会で何かするのにちょっと何かするっていう感覚で携わってる感じです。」

    ───小山さんのギブ精神、とても素敵です。その考え方のルーツは何でしょうか?

    小山さん:「自分の中に、もらったなって確かな感覚があるんです。親になった時に、自分の親からたくさんもらったなとか、ちょっと立場が変わった時に与えられたものをすごく感じて。

    自分がもらったものを返せる場を探した結果、今そうなっているのかもしれないです。」

    ここのお店を始めるときも、お客さまから寄付をいただいてイタリア(の生産者に会いに行くツアー)に行った時も、自分1人の力じゃ出来なかったけど、誰かが手を出してくれてそうなった。

    そういう感覚を多く得ちゃってるから、自分で頑張るよりも、人に助けてって言える何かの方が、そして人に助けてって言われて何かする関係の方が、個人的には腑に落ちているんです。」

    私から見た小山さん

    小山さんの第一印象は「お手伝い」と「哲学」の人。

    私がéleverにいた頃、朝カフェやイベントがない日にもよく顔を出してくれました。

    企画しているイベントについて相談すると、「一緒にやろう」と言ってくれる。他にも、お互いの読んでいる本についてや、日々の気づきを話したり。

    この対話の時間は、私にとってとても大切な時間でした。

    取材を通して改めて感じたことは、お店の在り方と小山さん自身の生き方がリンクしているということ

    商品のセレクト、地域との関わり方、子育てに至るどんなテーマにおいても、どこか哲学的。それは「自然か、不自然か」が常に根底に存在しているから。どこまでも一貫しているけれど、それを決して押し付ける様子もなければ、ストイックさを感じさせないところもまた自然なんです。

    そんな小山さんに、ぜひ会いに行って、話してみてください!

    五風十雨(ごふうじゅうう)
    Instagram:https://www.instagram.com/gofuju/
    住所:〒154-0002東京都世田谷区下馬6-15-11小林ビル1階

  • 日本一が淹れるコーヒーとこだわりの焼菓子を|Coffee and Baked Ura|東白楽

    日本一が淹れるコーヒーとこだわりの焼菓子を|Coffee and Baked Ura|東白楽

    東急東横線、東白楽駅から徒歩3分。

    メイン通りから一歩入った裏路地に2023年10月1日に新しいカフェがオープン。日々の忙しさの中で一息つける癒やしの場所「Coffee and Baked Ura」。

    静かな街並みに溶け込む温かな空気が流れるこのカフェを経営しているご夫婦、深浦哲也さんと深浦理恵さんに会いに行きました。

    東白楽にオープンしたCoffee and Baked Ura

    まずは、お二人の簡単な経歴をご紹介。

    深浦哲也さん:

    体育系大学進学後、楽器店に就職。

    社会に出て経験を積む中で、自身のお店を持つという夢を抱き、コーヒーと出逢う。次第にコーヒーの魅力に引き込まれ、日々コーヒーと向き合う中で日本一を目指すことに。一日も欠かすことなくコーヒーを追究し、2018年に念願のハンドドリップ日本一に。

    深浦理恵さん:

    ファッションの仕事に就職後、語学留学のためカナダへ。

    カナダの生活の中でよく見る風景の中に当たり前にコーヒーがあり、コーヒースタンドでのコミュニケーションが嬉しく、人と人との触れ合う優しい場が自分にとって心地いい環境であることに気づく。日本に帰国後、鎌倉の飲食店で哲也さんと出逢い結婚。現在一児の母として育児に奮闘しながら、カフェでの経験を活かしUraでは焼菓子も担当。

    深浦哲也さん 深浦理恵さん

    文章:a_chan_gram1008 写真:myourenjar/a_chan_gram1008/ 構成:myourenjar


    ハンドドリップチャンピオンのコーヒー

    哲也さんのコーヒーとの初めての出会いは就職後のこと。

    仕事以外の一人時間が増え、何かしてみようかなという想いが募った時に出逢ったのがコーヒー。コーヒーショップへ行き道具を揃え、豆から挽いて淹れてみたり、カフェ巡りをする中でコーヒーに触れる時間が増えていきました。

    日本一が淹れるコーヒーはぜひカウンター席で。

    ─── Coffee and Baked Uraのコーヒーについて教えてください。

    哲也さん:「味だけでなく所作を見て頂く事にも意識しながら一杯一杯丁寧に淹れてます。

    ブレンドはこだわっていて、メインメニューのUra Blendは、甘味、苦味、酸味がバランスよく感じられ、産地、配合、焙煎度合いを検証して“毎日飲んでも飽きのこない味”にこだわりました。後味がよくスッキリなのに甘さが残り、冷めても美味しいコーヒーです。 

    カフェのメニューで種類が多いと迷ってしまうこともあるので種類は程よくし、カフェインレスも用意して幅広い方にコーヒーを楽しんでもらいたいと思ってます。」

    ───哲也さんは2018年ハンドドリップ大会の優勝という経験もお持ちですね。

    哲也さん:「ハンドドリップ大会は、自分がコーヒーの道を進む中で芽生えた「美味しいコーヒーって何?」という疑問に対して、自分自身が知りたい。挑戦したい。というのが始まりで、

    大会で評価されることで自信に繋げたいと思い挑戦しました。」

    「大会に挑戦するも敗退という悔しい経験が続いたんです。

    この大会を突破するにはかなりの準備が必要だと気づいて、一日も欠かさず毎日仕事の休憩時間の15分コーヒーに向き合う時間を必ず確保して記録し研究していくことにしました。

    もちろん他にも、バリスタチャンピオンが在籍するセミナーに参加したり、動画を見たり勉強を続けました。コーヒーのことを考えると眠れないほど、どうしたら美味しいコーヒーを淹れることができるのか、真剣に向かい合いました。

    ハンドドリップ大会では、課題豆が当日に発表されるんです。

    課題豆の特徴を瞬次に判断し、豆の特徴に合わせてコーヒーを淹れ審査員にジャッジされる。その予選を勝ち上がっていく。味、所作、クレンリネス、プレゼンテーション等を全体的にみられます。

    夢にまで見た決勝戦では、自分でも不思議なほど落ち着いていて。落ち着いた気持ちの中で今までの全ての経験や知見をぶつけることができました。自分の名前が呼ばれたときは驚きと喜びでいっぱいでした。」

    日本一のコーヒーに合う、焼菓子

    カウンターにはコーヒー豆は勿論、理恵さんが作るたくさんの焼菓子が並びます。

    理恵さんの作る焼菓子

    ───Coffee and Baked Uraのこだわりの焼菓子について教えてください。

    理恵さん:「焼菓子はできる限り優しい素材を使うようにと思っています。

    勿論、コーヒーに合うということが一番ですがママ目線で考えて、自分の子どもにも食べさせられるものや材料を選ぶようにしています。」

    「今までカフェで働いてきた中で、10年間焼菓子のレシピを研究して貯めてきました。

    自分の作りたいもの、好きなものを集めたお店にしたいと思っていたので、それらの焼菓子をご提供しています。沢山あるレシピの中でも、私が一番提供したいと思い描いていた焼菓子はニューヨークチーズケーキです。」

    お店おすすめのUraブレンドとニューヨークチーズケーキ

    ───カフェでのメニューはどれも魅力的な物が多いですが、お二人のコレ!というカフェメニューのセットを教えていただけますか?

    哲也さん: 「Uraブレンドとニューヨークチーズケーキがおすすめ。定番ですが、ブレンドはエチオピア豆の口に残るさっぱりとした酸味がチーズケーキに合うし相性が良いです。」

    理恵さん: 「キャロットケーキとホットラテが合うのでぜひ。キャロットケーキがしっかりスパイスがきいているので食べたあとでホットラテのミルクの感じが合うと思います。」

    理恵さんオススメのキャロットケーキ

    焼菓子については季節のメニューもあり、その時その時で楽しみも増えていきそう。季節を感じながら美味しいコーヒーと優しい空気が流れるカフェでの時間はきっと格別なものではないでしょうか。

    「あったら良いな」を大切に。

    ───Coffee and Baked Uraでは、お子様大歓迎と謳っていますよね。その経緯も教えてください。

    哲也さん: 「自分もこのカフェの近くに住んでいるのですが、子どもと行けるカフェがなかなかないな、と感じていたので子連れでも気軽に来れるお店にしたいと思っていました。」

    理恵さん: 「自分が子どもと生活する中で、子連れで行けるお店が限られることや、子どもが騒いでしまったりすると「早く出なきゃ。」と感じてしまうことが多くて。そんな経験からお子さま連れでも安心できる場所を作りたかったのがきっかけです。」

    カフェのメニューでは、キッズドリンクも300円で用意されているのも嬉しい。

    哲也さん:「カフェのこだわりは、自分が行きたいと思える場所かを考えることと、この街に根付いた場所でありたい。ということ。

    朝8時から営業しているのも、ふらっと朝から立ち寄れる場所が『あったらいいな』と思ったこと。値段設定も自分だったらこの位の料金『だったらいいな』という設定を考えました。『あったらいいな』を形にしています。

    お店のこだわりとしてはモーニングタイムでは300円から本格的な美味しいコーヒーを味わえます。ふらっと足を運べる場所。日常の一部になって欲しいと思っています。」

    カウンターで飲むコーヒーとおしゃべりは格別です。

    道を歩いていて店内がどんなお店なのかわかるよう、なるべくオープンに見える窓。このお店にはどんなものが置いてあるのかがわかるメニュー表を外に掲示したり。

    犬の散歩のついでにホッと一息できるよう外にベンチを置いてリードフックがあったり。お店の隅々見渡しても、小さな配慮の数々がこの街に根付いた場所でありたい。という想いが垣間見れ、オープンしてから連日、まちの人たちが集まるホットスポットになっています。

    優しい空気が流れる場所Coffee and Baked Uraへainiko

    今回、訪れたCoffee and Baked Ura

    地元に寄り添い、哲也さん、理恵さんの想いが詰まったカフェ。

    カフェを作り上げるうえでインテリアやメニューにもこだわりが感じられます。

    ゆったりとテーブル席でコーヒーを楽しむのもありですが、カウンターに座り目の前でハンドドリップチャンピオンが淹れるコーヒーを眺めるのもおすすめしたい。

    カウンターでご夫婦と会話を楽しむのも、このカフェの醍醐味だ。

    お客様の立場になって考えたアイデアがそのまま活かされ

    こんなカフェがあったらいいな。が揃う場所。

    お二人のお話を聴いて、コーヒーが繋いでくれた縁がこうして二人の場所になって

    そしてこの街の人々の拠り所になっている。

    私の「夢は何ですか?」の問いに

    哲也さんは「長く続けたい。」と言う熱い想いを話されました。

    私は、その言葉を聴いて、とても謙虚ながらも強い意志を感じた瞬間でした。

    そして、カフェに行くことが特別な事ではなく日常の一コマになるように…。

    東白楽この街になくてはならない存在になりたいと話してくれました。

    私のこのカフェのおすすめしたいことの一つに

    カフェに入るときの交わしてくれる挨拶とカフェをでる時にお二人からの

    「いってらっしゃい。」という言葉には、

    今日も素敵な一日を…。という言葉が込められている。

    そんな優しに包まれた Coffee and Baked Ura 深浦哲也さん、深浦理恵さんに会いに行ってはいかがですか?

    Coffee and Baked Ura(コーヒーアンドベイクド ウラ)
    住所:神奈川県横浜市神奈川区西神奈川3-1-2
    Instagram:https://www.instagram.com/coffeeandbakedura/

  • この街で関西カルチャーを広めたい|たこ焼き◎(にじゅうまる)|大倉山

    この街で関西カルチャーを広めたい|たこ焼き◎(にじゅうまる)|大倉山

    大倉山駅前に2023年10月に開店したたこ焼き◎(にじゅうまる)
    母でもあり大手アパレル企業で働く一人の女性が、一念発起して異業種のたこ焼きスタンドを始めた理由とは?

    お話を伺いに店主の川口志穂美さんに会いに行きました。

    文章:nishidamaa 写真:myourenjar 構成:myourenjar


    自分のアイデンティティを大切に生きたい。

    関西出身で前職は大手アパレル企業に勤めていた志穂美さん。


    大好きな服に関わることは楽しかったが
    「自分でセレクトした服ではなくデザイナーが作った服をそのまま売ることにだんだん違和感を覚えてきました。私じゃなくても売れるんじゃないか、テンプレート化した接客にお客様との距離も感じてきて…」
    自分のオリジナリティを活かして、もっとお客様と身近にコミュニケーションをとりたいと思い始め、たどり着いたのが「たこ焼き」というキーワード。

    最新のメニューはInstagramからご確認ください。

    もともと行きつけのお店の人たちが自分スタイルを大切にイキイキされているのが印象的で、この街だったら自分らしくやっていけそう!と思い大倉山で物件探しをスタート。タイミングよく希望の物件が見つかりお店をスタートすることになりました。

    たこ焼き◎(にじゅうまる)の店主 川口志穂美さん

    お店を通して関西カルチャーを広めたい

    関西人が普段美味しいと作って食べている、何も飾らないたこ焼きを食べてもらいたい」という志穂美さん。


    「とくにこだわりはないです。関西人が食べている普通のたこ焼きです」と謙虚な姿ですが、
    お店を始めるにあたり、だしソムリエの取得や専門店での修行に行かれるなど材料や作り方に工夫をされています。

    お店の原点ともいえる修了書たち

    そのたこ焼きはフワトロでおいしいと評判です。揚げ焼きが多い中、たこ焼き◎(にじゅうまる)は出汁が効いた優しい風味。まるでおふくろの味のように心が温まる美味しさです。

    ソースにも特徴があり、甘くてコクがあるいちじくソースが人気。
    志穂美さんは「あっさり楽しめる“塩+マヨ”もおすすめです!」とのこと。
    常連さんの中には素焼きをテイクアウトし自分好みの味を楽しんでいる方もいるそう。

    出汁が効いていて素焼きでも十分に美味しいフワトロたこ焼き

    たこ焼きを待っている間も関西カルチャーに触れてもらえると嬉しい」と語る志穂美さん。
    店内にはこだわりの関西グッズがたくさん。
    関東では見かけないものばかりで思わず目を引きます。
    「このお店を通して関西を身近に感じてもらえれば。」と熱い思いが伝わります。

    店内にはいたるところに関西グッズが。「岡本太郎大好き」と志穂美さん

    お客様との接点を大切に入りやすい店づくりを

    前職でお客様との距離を感じていた志穂美さん。
    たこ焼き◎(にじゅうまる)を始めるにあたって「お客様との距離を縮めたい。そのためにはお客様がふらっと立ち寄れるお店に」という視点を大切にしています。

    すぐ貯まると評判のポイントカードと、貯まったもらえるドリンクたち

    お店にはお客様が気軽に立ち寄れる工夫が垣間見れます。


    紙のポイントカード、支払いは現金のみというアナログ感もその一つ。
    「なかなか貯まらないポイントカードじゃつまらない。直ぐ貯まってちょっとしたお得感を味わっていただければ。」

    店先にのれんを出し、外から「たこ焼き屋」と分かるようにしたり、たこ焼きがいつできるのかわかるようにできる限りお客様に声掛けをしているそうです。「自分がお客さんとしてたこ焼きを待っている間にこんなことがあったらいいなという思いで考えました。」

    年配の方や妊婦さんにも安心して待っていただけるようにと腰掛け用の椅子も用意してるのもこだわりポイント。お客様がホッと笑顔になる一つ一つの工夫に志穂美さんの優しさが伝わります。

    そんな温かい雰囲気が広まり常連さんや地域の方に愛されるお店になりました。
    「お子様がお小遣いを握って買いに来てくれた!」
    「たこ焼きを食べてその日のうちに「おいしい!」とわざわざお店に戻ってきて伝えてくれた」と嬉しそうに話していました。

    家族との時間も大切にしたいから働き方も自分らしく

    前職では、大型連休や土日関係なく夜遅くまで働いていたという志穂美さん。
    「娘の保育園のお迎えはいつも一番最後。娘は気を使って大丈夫と言っていましたが
    とても寂しい思いをさせていたと思います。」
    年末年始も家族とゆっくり過ごせず心苦しい思いをしていたそうです。

    たこ焼き◎(にじゅうまる)の営業時間は17時までという理由もここにあります。
    「正直商売を考えたらもっと営業時間を長くするべきだけど
    家族の時間も大切なのでそこは通します。無理はしないと決めたんです。」

    娘さんの可愛らしいイラストが店内に

    ーーお店を始めてご家族との時間は取れましたか?
    「定休日の日曜日は家族と過ごせています。最近娘が自転車に乗れるようになったので一緒に散歩することが増えましたね。」
    保育園のお迎え時間も早くなり娘のメンタルも安定してきたようです。」と嬉しそうに話している姿が印象的でした。

    自分のやりたい事を実現する強さ

    今回取材して感じたことは私自身働く母親の一人として共感した部分が多く
    家族との時間、地域とのつながりを軸に
    自分のやりたい事をとことん追求している姿に心を打たれました。
    やりたいことがあるけれど一歩踏み出せない、
    大人になればなるほど簡単には行動できないことが多い中
    志穂美さんの行動や思いにとても勇気づけられました。

    店名とロゴの由来は「私が丸顔だから」と茶目っ気たっぷりの志穂美さん

    また地域の方への愛にもあふれていることがお店を通して伝わってきました。「売れ残りそう!フードロスはもったいない!助けて…!」とInstagramで投稿したら商店街の方たちがすぐに駆けつけてくれた。これってすごいことだと思いませんか?」と志穂美さん。
    お客様だけでなく地域の方たちと家族みたいな関係を築かれている志穂美さんの姿が印象的でした。

    作っている間お待たせするのは心苦しいですが、お茶でも飲みながらまったり待っていただけたら!ぜひ勇気を出して遊びに来てください!
    明るい店主とおいしいたこ焼き、関西カルチャーを身近に感じられるたこ焼き◎(にじゅうまる)にこれからも目が離せません。

    たこ焼き◎(ニジュウマル)
    住所:神奈川県横浜市港北区大倉山3-29-3 しまやビル 1F
    Instagram:takoyaki_nijyumaru

  • ありのままのあなたを尊重します│妙蓮寺すいクリニック│妙蓮寺

    ありのままのあなたを尊重します│妙蓮寺すいクリニック│妙蓮寺

    2023年11月1日にOPENする「妙蓮寺すいクリニック Sui Obstetrics & Gynecology」。妙蓮寺駅から歩いて3分ほど。多くの妙蓮寺住民の生活を支える「オーケーストア妙蓮寺店」のお隣に、新しく建設されたガラス張りのお洒落なビルの3階。大きな窓からは、妙蓮寺のシンボル菊名池公園プールが見える素敵なクリニックです。

    クリニックの院長は、山本 ゆり子先生

    先日、ゆり子先生が開催した『ASK ME ANYTHING』。「受診するほどじゃないけどちょっと気になっているホルモンや生理に関するあれこれ、HPVワクチン、こどもの性教育どうしてる?などお話しししませんか。」と、“女性が安心して話せる場”を目的とした気軽なトークイベントでは、集まった女性の方たちが「こんなこと話すのはじめただけど」と、性に関する不安や疑問などを話されている姿が印象的でした。

    ゆり子先生が開催した『ASK ME ANYTHING』

    診療ももちろんですが、ゆり子先生がこのクリニックでやりたいことは「待合室を女性の居場所」にすること。

    普通の婦人科クリニックとは一味も二味も違う、新しい形のクリニックが誕生します。

    2004年 国際基督教大学教養学部理学科卒 生物学専攻
    2008年 岡山大学医学部医学科卒
    2008年 浦添総合病院 初期臨床研修医
    2010年 横浜市立大学附属病院 産婦人科
    2012年 横浜労災病院 産婦人科
    2014年 横浜市立大学附属市民総合医療センター 総合周産期母子医療センター 助教
    2019年 横浜市役所健康福祉局保健事業課に出向 がん検診事業や医療データーベース分析に従事
    2020年 横浜市南部児童相談所に出向 こどもたちと向き合うと同時に職員に向けて産婦人科医としての専門的な助言を行う
    2021年 横浜市立大学附属病院、横浜市立市民病院、および横浜労災病院の非常勤医師を経て
    2023年11月より現職​​

    文章:myourenjar 写真:myourenjar 構成:myourenjar


    人間が人間を産む姿に感銘を受けた

    ─── そもそも、ゆり子先生が産婦人科の先生になろうとしたきっかけを教えてください。

    ゆり子先生:「祖父が内科医の先生だったので、幼い頃から医師という職業に親しみがあったことは大きいかもしれません。中学生のときに手塚治虫『ブラックジャック』に出会い医師にあこがれを抱きますが、父親が理系の研究者だったので、漠然と理系の研究者になることを想像してました。

    ただ、人を相手にする仕事の方が自分を活かせる職業なんだなと思っていたので、研究者としての道を選ぶことには違和感も感じていて。

    結局、進路を決める頃まで明確な将来へのビジョンはないまま、大学3年生の夏から1年間カリフォルニアへ留学しました。」

    留学時代のゆり子先生。

    「その時受講したカリフォルニア州認定助産師の特別講演で、彼女が介助した自宅出産の映像をみて衝撃を受けました。人間が人間を産むという、ものすごいエネルギーを感じたのと、自宅のベッドで家族に見守られながらの温かいお産は、当時の私にはとても幸せな画に見えました。

    大学4年生で日本に帰ってきた頃には医者になることを決め、内科や精神科、麻酔科や耳鼻科など他の専門分野への選択も魅力を感じましたが、自宅出産の映像で得た衝撃が自分の中で大きく、やはりお産に関わる診療がしたいと産婦人科医へ進むことを決めました。」

    子宮と卵巣だけ見れればいいわけではない

    ─── 沖縄県の病院で研修医としてのトレーニングをしたことがInstagramで紹介されていましたが沖縄で研修を受けられたんですね。

    ゆり子先生:「医師としての国家資格に受かったら、日本全国の病院の中から自分で決めた場所で研修が受けられるんです。住んでいる場所から近い病院を選んだり、都内の人気ある病院を選んだり、どこでトレーニングを受けるか迷いましたが、

    医者たるもの、腎臓だけ心臓だけみればいい。というわけでなく、患者さんの全身を診ましょう。声を聞きましょう。というトレーニングが積める沖縄での研修を選択しました。」

    院内にシーサーが置かれているのを探してみてくださいね。

    「実際、患者さんがお腹が痛いから婦人科の病気だと思って受診されても、婦人科の病気ではなく盲腸である。という可能性もあり得ますよね。色んな可能性が考えられる。婦人科で診療していても婦人科医だけの知識では判断できないという場面は珍しくないんです。

    患者さんの声を聞いて、全身を診て身体を触って、ありとあらゆる種類の病気の可能性を考えた上で判断する必要がある。婦人科だからといって患者さんの子宮と卵巣だけ見れればいいわけではないという意識は、そのころから強く持っていました。」

    よい医師になるのは国民のため

    ゆり子先生:「トレーニングをはじめる時、研修責任者の医師から『よい医師になるのは国民のため』という言葉をかけてもらったのですが、

    その時の私には、かなりインパクトが大きい言葉で「わたしがこれからやっていく仕事はそういうことなんだ。」と目が覚める思いだったのをはっきりと覚えています。

    患者さんのためというのはよく聞くけど、“国民のため”という言葉は、いい医者になりたいと思っていた私にドスンと落ちてきました。『上医は国を医し、中医は人を医し、下医は病を医す』という、中国の古い文献の有名な言葉にも通じていると思います。」

    ─── 患者さんのため、ではなく「国民のため」というのはどういう意味なのでしょうか?

    ゆり子先生:「分かりやすい話ででいうと、性感染症。

    患者さんが検査して、性感染症に感染していることが分かり薬をのんで、患者さん自体が完治したとしても、パートナーが性感染症に感染したままだったらまた感染してしまう。日本で多いのは性風俗。

    その方のおかれている環境とか、パートナーとの関係。その方が性行為という方法でしか金銭を得られない生活をしている世の中の状況や、環境や貧困。

    本当の解決という意味ではそこまで踏み込まないと、患者さんの診療、治療、完治ができないんです。」

    「以前、新宿三丁目で若い女の子たちが集まるクリニックでアルバイトをしていたことがあるんです。受付の子も、待合室にいる子も20代で、医者も説教するようなタイプではなく、淡々と治療を受けられる。

    受診する若い女の子たちも、説教されないクリニック、価値観を押し付けてこない場を探して選んでくるんです。それがいいかどうかは別として、治療をできる場があるという考えとしてはそういう場所は必要で。

    ただ、働いていてとにかく自分の無力さを感じました。

    回しているだけ。結局彼女たちの置かれている環境が変わらない。また彼女たちは同じ病気同じ状態を作り出してくることへの無力さを感じました。」

    このクリニックを女性の居場所にしたい

    ─── ロゴマークも内装も、婦人科さんではないような雰囲気で驚きました。

    ゆり子先生:「安心できる場所であってほしいという想いを込めて、ロゴマークを家にしました。例えば、白とピンクの内装で産婦人科は妊娠したら行く場所です。という感じにしてしまっては、さっき話したような子たちは来にくいと思うんです。

    『妊娠したら行く場所=婦人科』という考えを変えたいという想いで色合いやロゴ、クリニックの名前も考えました。」

    「児童相談所に出向したこともあったのですが、そこでは、自分の日常とはかけ離れて生きている子どもたちが沢山いることを目の当たりにして、全てに驚き、全てにオーバーリアクションをしてしまっていました。

    周りの職員が淡々と対応しているのを見て、

    『この子たちにはこの生活が日常。オーバーリアクションをしてしまうと話さなくなってしまうので、してはいけない』ということを知りました。

    「こんな話をすると大人をびっくりさせてしまうんだ。隠さないといけないんだ。」と思ってしまい、話さなくなってしまう。なので、淡々と話しを聞いて淡々と手当をする。感情抜きで対応するべきだということが大切なことだということは、確かにその通りだと思い知らされました。

    この子たちは日常を生きている。こっちが違う土俵にたった状態で、こうしろああしろと言っても単なる遠吠えなんですよね。

    そんな無力さを感じる経験から、自分自身がするべきこと、できることは、話を聞いて人間同士の信頼関係を築くこと。であるのではないかと見えてきました。

    信頼関係なしでは、その子の環境改善までにはつながらない。
    もちろんそんなことを一診療所で提供できるサービスなのかといわれるとそれは違うかもしれないですが。」

    「私はもちろんここで診療もするのですが、ものすごくやりたいことはこのクリニックを女性の居場所にしたいんです。

    映画上映会してもいいですし、みんなでお話してもいい。性に関すること、夫婦関係のこと、性教育のことを安心して話せる場の提供をしたいと思っています。」

    あなたの今の状況で医療が提供できる最適なソリューションを一緒に考える

    ─── 性のことについて話しにくい、いやらしいというような日本のタブー的考え方の文化は根強く感じますし、どうすればいいかわからない。本当は話したい。と思っている方が少なくないことを、先日の『ASK ME ANYTHING』トークイベントで感じました。

    ゆり子先生:「みなさん、多くの不安や疑問を話されていましたよね。そんな場を作っていきたいと思っています。

    自分の性器や身体はとても大切なもの。日本の性状況って教育では覆い隠されているけれど、インターネット上では興味を煽るいやらしい、汚らわしいという恥ずかしくて隠さなくてはいけないような、商業ベースの情報が多量に流れている。でも、本来性的には、性的なふれあいはコミュニケーションのひとつですよね。

    性的なものに関するタブーを日の光にさらしたいという想いはありますね。ポルノグラフィーから性について学ぶという今の状況を変えたいと思っています。」

    「あと、医療が女性の悩みを全て解決できるわけでもないんです。今多く耳にするようになったPMS(月経前症候群)だったらピルを飲めばいいという話があるけど、そもそもPMSの背景って女性が社会に担わされている重荷負担が大きすぎることも大きな要因だと思うんです。

    あれもこれもそれも、まるで子どもなんていないかのように働き、まるで仕事なんてしないかのように愛情深く育てろみたいな、女性への負担の大きさの問題は医療が全て解決できるわけではなくて、家庭内労働をいかに家族で分担するかという内容になってくる。

    最終的には社会を変えたいという想いがありますが、

    ファーストステップとしてこれはおかしいよね。そりゃあホルモンバランスが乱れるよねということに気づいてほしいし、社会にもそういう目をもってほしい。

    対話の土量をつくる。ただ診断と治療を提供するのではなく、そういう芽を育てたい。

    「私もスタッフも、ジャッジメントはここでは絶対にしません。

    今おかれている状況とか、見えない背景っていっぱいあるし、想像できないこともいっぱいある。人間がある行動をとることに対して、批判したり、間違っているとか『言うことはすごく簡単』だと思っています。

    そういうジャッジメントはここでは絶対にしない。
    あなたの今の状況で医療が提供できる最適なソリューションを一緒に考える。

    単純にAだったらBすればいい。というものではないので、その方にとって一番現実的な落としどころを見つける。もちろん患者さんもその提案をのむ必要もないというか。

    医療で解決できることって、実は少ないのかもしれません。」

    妙蓮寺すいクリニック
    Sui Obstetrics & Gynecology
    HP:https://www.suiobgyn.org/
    住所:222-0011 神奈川県横浜市港北区菊名1-9-10 高貝ビル 3F
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